...もの静かな庫裡(くり)を後ろにして...
芥川龍之介 「樗牛の事」
...しかし大体僕の母は如何にももの静かな狂人だった...
芥川龍之介 「点鬼簿」
...このお姫さまは、もともと、もの静かで、考え深いたちでしたが、今では、それがもっともっとひどくなりました...
ハンス・クリスチャン・アンデルセン Hans Christian Andersen 矢崎源九郎訳 「人魚の姫」
...そうすると今までもの静かであった四辺が俄(にわか)に騒々しいような気がして...
飯田蛇笏 「茸をたずねる」
...三方を高い山に囲まれたもの静かな風景も...
海野十三 「火星兵団」
...魚どもの静かな客間をのぞく...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...もの静かな口調でした)自分にすすめ...
太宰治 「人間失格」
...裁判官のもの静かな足の下に死刑執行人の爪がのぞいている...
ユゴー・ヴィクトル Hugo Victor 豊島与志雄訳 「死刑囚最後の日」
...いつもの静かな声で言った...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...朝は浴客もいったいにもの静かだ...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...青い服を※つた鳩のやうな婦人がもの静かに従いて歩いた...
原民喜 「雲雀病院」
...これなどもその一つで恋人の訪問をもの静かに美しく描くものである...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...もの静かな朝夕を過ごしていた...
堀辰雄 「曠野」
...表面だけはいかにももの静かな様子を佯っていた...
堀辰雄 「菜穂子」
...もの静かなる漠々たる明朗さに一切の疑惑と妄迷を呑み込んだ The Lethe(もの忘れ河)となつて...
牧野信一 「バラルダ物語」
...いつもの静かな声で...
矢田津世子 「※[#「やまいだれ+句」、第4水準2-81-44]女抄録」
...いまはもの静かに...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...嫁にはやさしいもの静かな老人で...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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