...二三度ものものしく動かして...
芥川龍之介 「仙人」
...その上、蹄(ひづめ)の音と、鳴く声とは、うすい夜の霧をうごかして、ものものしく、四方(あたり)に響き渡つた...
芥川龍之介 「煙草と悪魔」
...非常線はものものしく張られた...
海野十三 「心臓盗難」
...警戒陣はものものしく殺気(さっき)だってきました...
江戸川乱歩 「怪人二十面相」
...着ている衣裳の二重三重ものややこしさ――巨大なフウプ(鯨骨で腰周りを提灯のようにふくらませた、あれ)、堅い襟襞、ふくらんだ袖、ちりばめた真珠、ひらひらとした上に金色を染めたガアゼ――そういう衣裳の下に女の形は消え失せて、人はそのかわりに一つの幻像を見る――壮大で、ものものしく、そして自己創造的な幻像を――後代の人はこのような幻像のまやかしに惑乱させられた...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...ひどくものものしく...
太宰治 「新樹の言葉」
...夫の方が一歩前へ出てものものしく初対面の口上を述べ...
永井隆 「ロザリオの鎖」
...ものものしく相手に示していた...
夏目漱石 「明暗」
...ものものしくも、いしくも思いついた姿でやって来た女将は、「今日は平日(ふだん)のあたしじゃあない...
長谷川時雨 「一世お鯉」
...ものものしく眼玉を光らせた一匹の龍がいる...
火野葦平 「花と龍」
...お国訛りもものものしく...
正岡容 「艶色落語講談鑑賞」
...へんにものものしく耳についた...
山本周五郎 「山彦乙女」
...ものものしく身拵えをして...
山本周五郎 「山彦乙女」
...車馬の行装ものものしく公然と...
吉川英治 「三国志」
...ものものしく待ちかまえていた...
吉川英治 「三国志」
...すてばちの怒号(どごう)ものものしくも名のりをあげた...
吉川英治 「神州天馬侠」
...母衣馬(ほろうま)や目付(めつけ)がものものしくかけまわり...
吉川英治 「神州天馬侠」
...いとものものしく門へ佇み並んだものだった...
吉川英治 「平の将門」
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