...長いものうい夏の日に...
ワシントン・アーヴィング Washington Irving 吉田甲子太郎訳 「リップ・ヴァン・ウィンクル」
...ものうい東洋の香料の匂が――わしは艶(なまめ)いた女の匂がどんなものだか知らないのである――柔に生温い空気の中に漂つてゐる...
テオフィル・ゴーチエ Theophile Gautier 芥川龍之介訳 「クラリモンド」
...月が変圧器にひっかかっているし風は止んだしいやにあつくるしい夜だ人通りもとだえて犬の遠吠えだけが聞こえるいやにおもくるしい夜だエーテルは一時蒸発を止め詩人は居眠りをするようないやにものうい夜だ障子から蛾の死がいが落ちた...
竹内浩三 「ある夜」
...あたたかい日に布団にくるまってうとうとと朝寝坊をする、―――そののんびりした、ものういような、甘いような気分にも似ている...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...ものうい陽気が続いた...
谷崎潤一郎 「二人の稚児」
...季節は歩くによろしく乞ふにものうい頃となつた...
種田山頭火 「行乞記」
...」吐息(といき)とも呻(め)き声ともつかぬものうい音(ね)をほっと洩らすと共に...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...軒のつららのものうい雫(しずく)に悠久(ゆうきゅう)の悲しみを物語らせ...
寺田寅彦 「映画時代」
...ものうい陶酔的な気持ちで...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...眠りかけてるようなものうい町の鐘が...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...例の筆のすさみの思い出日記の筆をとるのもものういと見えて...
中里介山 「大菩薩峠」
...どこで雲が始まるかわからないほどにものうい上を...
夏目漱石 「三四郎」
...だるい、ものうい、眠い、真夜中のうだるような暑さの中に、それと似てもつかない渦巻が起った...
葉山嘉樹 「乳色の靄」
...ものういことだ...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...またはものうい雨脚にでも見入りながら...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「道化者」
...僕の目はまたウトウトとのろいものうい眠りにおそはれた...
三岸好太郎 「ロマンチツクな絵本」
...すこしものういところのある騎士が...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...ものうい初蝉の声をよそに...
吉川英治 「平の将門」
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