...ものうい東洋の香料の匂が――わしは艶(なまめ)いた女の匂がどんなものだか知らないのである――柔に生温い空気の中に漂つてゐる...
テオフィル・ゴーチエ Theophile Gautier 芥川龍之介訳 「クラリモンド」
...ものうい眼を向けた...
海野十三 「四次元漂流」
...淋しくものういその日その日を...
江戸川乱歩 「赤い部屋」
...ものうい風の音を聞いていた...
サキ Saki 妹尾韶夫訳 「第三者」
...孰方(どっち)からとものういい出しまして...
谷崎潤一郎 「卍(まんじ)」
...自炊がものういので...
田山花袋 「田舎教師」
...」吐息(といき)とも呻(め)き声ともつかぬものうい音(ね)をほっと洩らすと共に...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...眠りかけてるようなものうい町の鐘が...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...どこで雲が始まるかわからないほどにものうい上を...
夏目漱石 「三四郎」
...クロはものうい目をあげて...
新美南吉 「正坊とクロ」
...何も彼もものうい気がした...
林芙美子 「下町」
...すぐにものうい悲しげな手つきで...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「小フリイデマン氏」
...僕の目はまたウトウトとのろいものうい眠りにおそはれた...
三岸好太郎 「ロマンチツクな絵本」
...瀧子は口を利くのもものういのであった...
「鏡の中の月」
...家も園もゆくかたものういぶせく覚えて...
森鴎外 「文づかい」
...わたしをものうい考えからそらしてくれたことか...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...ものうい顔をして...
吉川英治 「かんかん虫は唄う」
...ものうい初蝉の声をよそに...
吉川英治 「平の将門」
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