...静かに空を渡って行く雲の脚(あし)が瞑眩(めまい)がするほどめまぐるしく見えたりして...
有島武郎 「或る女」
...めまぐるしく動く大きな眼――それはもう一歩というところで詐欺師(さぎし)のそれと一致するものだが――の眼尻に...
有島武郎 「星座」
...顔の前で、四本の手が、めまぐるしく、もつれ合った...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...めまぐるしく現れては消えた...
江戸川乱歩 「心理試験」
...また日毎にめまぐるしくなりゆく現実の生活とは異つた...
薄田泣菫 「独楽園」
...めまぐるしくなって...
寺島柾史 「怪奇人造島」
...自動車でめまぐるしく飛び回っても常に確実な眼と手とを失いません...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...あまりに強烈(れつ)な現實が自分の周圍(しうい)をめまぐるしく走つてゐるのに...
新美南吉 「坂道」
...しかしめまぐるしく...
葉山嘉樹 「死屍を食う男」
...僕のまはりにある無数の雑音、無数の物象、めまぐるしく、めまぐるしく、動きまはるものたち、それらは静かに、それらは素直に、無限のかなたで、ひびきあひ、結びつき、流れてゆくことを気づかないで、いつもいつも流れてゆく...
原民喜 「鎮魂歌」
...僕のまわりにある無数の雑音、無数の物象、めまぐるしく、めまぐるしく、動きまわるものたち、それらは静かに、それらは素直に、無限のかなたで、ひびきあい、結びつき、流れてゆくことを気づかないで、いつもいつも流れてゆく...
原民喜 「鎮魂歌」
...大艀や上陸用舟艇が裾から火がついたようにめまぐるしく動きまわっていた...
久生十蘭 「だいこん」
...じぶんでも思いだせないほどめまぐるしく名と職を変え...
久生十蘭 「虹の橋」
...弾薬車をつけた砲車や武装した労働者を満載したトラックがめまぐるしく行きちがい...
久生十蘭 「淪落の皇女の覚書」
...さして重要でない戦線の一部の動向をそれとなくラスプーチンに吹きこんでおくのは雑作のないことだったろう」(グレーデル「皇后の裏切」)宣示はめまぐるしく降って土砂降りのようになり...
久生十蘭 「淪落の皇女の覚書」
...それが次から次へめまぐるしく變つて行き...
三木清 「哲學はやさしくできないか」
...身のまわりに渦巻く現象が新しい要素を加えてめまぐるしくなればなるほど...
宮本百合子 「あとがき(『宮本百合子選集』第十五巻)」
...なんともめまぐるしく活躍し...
山本周五郎 「雨あがる」
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