...葉子という女はどうしてこうむら気で上(うわ)すべりがしてしまうのだろう...
有島武郎 「或る女」
...馬はむら気(ぎ)な主人の仕打を笑ふやうな顔をして...
薄田泣菫 「茶話」
...房一は、相沢といふ男からは、極端にむら気な、何か容易に手につかめないもどかしさを感じてゐたが、同時に、一脈の執拗さを受けとつてゐた...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...このもの言いと動作にあらわれたむら気な落ちつきの無さが...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「妻」
...あの人の可厭(いや)なむら気で誰が苦しむんだい? いつでもあの人自身じゃないか...
ディッケンス Dickens 森田草平訳 「クリスマス・カロル」
...彼女のむら気や無精や沢山の欠点を...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...いらいらしたむら気な青年である彼は...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...ジルノルマン氏のむら気は既に長い前から彼の好むところでなかった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...ぐずめが! そんなむら気はのろうべきだ...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...ただ給仕だけはみんなが襲われているむら気に取りつかれずにいるように見えた...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「火夫」
...――が要するに彼の行動のむら気はどうも私には理解しかねるのであった...
エドガア・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「群集の人」
...友にはさまざまなむら気があって...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「モルグ街の殺人事件」
...皮肉で我儘でむら気で高慢で...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「道化者」
...むら気な性質で恨みを買うこともしたためにか...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...その上優しかったと言えば私がむら気でそう言うのだろうと思う人もあろうが...
室生犀星 「われはうたえども やぶれかぶれ」
...御主人のむら気には呆れはてたものでございます...
矢田津世子 「旅役者の妻より」
...呂布のむら気はいつものことだが...
吉川英治 「三国志」
...むしろ其女にとっては倖(しあわ)せじゃないか」「どうしてです?」「又八のようなむら気な男じゃもの...
吉川英治 「宮本武蔵」
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