...前途(むこう)より年少(わか)き好男子の此方(こなた)に来懸るにはたと行逢いけり...
泉鏡花 「活人形」
...俺の向脛(むこうすね)をぐりぐりぶったたいていたんだ...
海野十三 「太平洋魔城」
...むこうの森の中へはいっていきます...
江戸川乱歩 「黄金豹」
...すると、そのあつい木の戸が、ギイ――といって、むこうへ、ひらいたではありませんか...
江戸川乱歩 「仮面の恐怖王」
...すると、むこうから、「警視庁りょうかい...
江戸川乱歩 「奇面城の秘密」
...平坦な路のむこうにその背後(うしろ)姿を消しかけた...
田中貢太郎 「赤い花」
...また向(むこう)の峰(みね)へ上って往った...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...この住居のまえにある僅(わずか)ばかりの平地のむこうは五...
中勘助 「島守」
...大方向側(むこうがわ)の待合からお客が帰る処なのであろう...
永井荷風 「雪解」
...向槌(むこうづち)を打っている男に直してくれと頼む...
中里介山 「大菩薩峠」
...此方(こなた)から見渡す向(むこう)を...
夏目漱石 「虞美人草」
...茗荷谷(みょうがだに)を向(むこう)へ上(あが)って七八丁行けば小日向台町(こびなただいまち)の余が家へ帰られるのだが...
夏目漱石 「琴のそら音」
...こちらにぶつかってまたむこうへいく...
新美南吉 「嘘」
...むこうの船の大帆がパッと紅(くれない)に染まる...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...広縁で煙草を喫いながら待っていると、柴垣のむこうで、姉の常子が植木屋と話している声がきこえる...
久生十蘭 「蝶の絵」
...車いすを大佐のむこうずねに当て...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「くちなしの花」
...むこうの縦に長いほうの壁際にあった...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ある幸福」
...荒い型をして見せる時には着流しの裾の間から白い短い腰巻と黒い骨だらけの向脛(むこうずね)が露出した...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
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