...わざわざ踏切(ふみき)りまで見送(みおく)りに來(き)た弟(をとうと)たちの勞(らう)に報(むく)いたのである...
芥川龍之介 「蜜柑」
...人もし我に衣食を給するも我はいつかこれに充分なる報(むくい)を為さざるべからず...
内村鑑三 「基督信徒のなぐさめ」
...數杯をかたむくる程に...
大町桂月 「金華山」
...むくむくと元気よく起きあがりました...
鈴木三重吉 「古事記物語」
...網に死屍(むくろ)を引き揚げて...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...しかも毛むくじゃらの男ゆえ...
太宰治 「喝采」
...だらしのない父の放蕩(はうたう)の報(むく)いで...
徳田秋聲 「或売笑婦の話」
...その犬の狐色の尨毛(むくげ)や...
徳田秋声 「爛」
...無患子(むくろじ)の実のあるかぎり見事なシャボン玉を吹き上げたら...
豊島与志雄 「シャボン玉」
...世の中の欲もすなわち名誉も富貴(ふうき)も知らない清浄無垢(むく)の青年時代に起こる思想が実に貴(とうと)い...
新渡戸稲造 「自警録」
...その後ブラームスはシューマンの恩顧(おんこ)に酬(むく)いるためにシューマンの作品や図書の整理をし...
野村胡堂 「楽聖物語」
...源七はむくりと起きてお初と一聲大きくいふに何か御用かよ...
樋口一葉 「にごりえ」
...「ゴゴンゴーゴー、やまのいわやで、熊(くま)が火をたき、あまりけむくて、ほらを逃(に)げ出す...
宮沢賢治 「シグナルとシグナレス」
...あの不正不法な場合においてさえ彼にそむくことができなかったことも...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...それらの物がむくつけなあきんどの手でぶ遠慮にかきまわされるのを見るのは辛かったが...
山本周五郎 「日本婦道記」
...「与一の主君は……忠之様で御座りまするぞッ」「……ナ……ナ……何とッ……」「主君に反(そ)むく者は与一の敵……親兄弟とても……お祖父(じい)様とても許しませぬぞッ……」「おのれッ……小賢(こざか)しい文句……誰が教えたッ……」「お父(とと)様と……お母(かか)様……そう仰言(おっしゃ)って……私の頭を撫で……亡くなられました……」与一がオロオロ声になった...
夢野久作 「名君忠之」
...どつちかに傾むく...
吉川英治 「折々の記」
...人はあざむき得(う)るとも神はあざむくべからず...
吉川英治 「神州天馬侠」
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