...その暮向(くらしむき)を知っていた...
泉鏡花 「婦系図」
...むき立ての林檎を取つて...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...さうして時々ニヤ/\と齒をむき出して笑ふかと思ふと長煙管を突き出してポンと遠方の火鉢にはたいて...
高濱虚子 「俳諧師」
...」むきになっていた...
太宰治 「新樹の言葉」
...……左右の肩がむきだされた...
直木三十五 「大衆文芸作法」
...金子(きんす)を返却致したき趣(おもむき)申聞かせ候へども...
永井荷風 「榎物語」
...当村の庄屋殿(しょうやどの)より即刻代官所へ同道致されたき趣(おもむき)...
永井荷風 「榎物語」
...はあ知(し)れえゝぬうよおうゝゝ」と彼(かれ)は眼(め)を瞑(つぶ)つて少(すこ)し上向(うはむき)に首(くび)を傾(かたむ)けて一杯(ぱい)の聲(こゑ)を絞(しぼ)つて極(きは)めて悠長(いうちやう)にさうして句(く)の續(つゞ)きを「えゝ傍(そば)にえゝ...
長塚節 「土」
...俯向(うつむき)になっているので...
夏目漱石 「硝子戸の中」
...自然と顔が仰向(あおむき)になる...
夏目漱石 「坑夫」
...従って彼を囲繞(いにょう)する妻子近親に対する彼の様子は幾分か誇大に傾むきがちであった...
夏目漱石 「道草」
...其(その)迂濶(うくわつ)な所(ところ)に何處(どこ)か鷹揚(おうやう)な趣(おもむき)を具(そな)へて實社會(じつしやくわい)へ顏(かほ)を出(だ)したのである...
夏目漱石 「門」
...人物に一段の趣(おもむき)を添えたるが如くに見え...
福沢諭吉 「日本男子論」
...おあつらへむきに雨もすつかり上がり...
堀辰雄 「辛夷の花」
...のどぼとけがはっきりとむきだしにあらわれて見えるほど...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...始終家産は左向(ひだりむき)であった...
水野葉舟 「取り交ぜて」
...さしむきながら聞いているにはいたが...
夢野久作 「鉄鎚」
...建築を初め何事にもどつしりとした趣(おもむき)に富んで居るのは...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
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