...上人(しょうにん)「御主(おんあるじ)御受難の砌(みぎり)は...
芥川龍之介 「さまよえる猶太人」
...物価騰昇(とうしょう)寒さの砌(みぎり)...
泉鏡花 「薄紅梅」
...または軍人の妻女が良人出陣の砌(みぎり)に痴情の涙を湛(たた)えて離別を惜しむと...
大隈重信 「国民教育の複本位」
...左右(ひだりみぎり)の膝の上(へ)に坐(ま)せまつりて...
稗田の阿礼、太の安万侶 「古事記」
...そのみぎり、楠公は金剛山の重囲を破って出で、天皇を兵庫の御道筋(おみちすじ)まで御迎え申し上げたその時の有様を形にしたもので、畏(おそ)れ多くも鳳輦(ほうれん)の方に向い、右手(めて)の手綱(たづな)を叩(たた)いて、勢い切った駒(こま)の足掻(あが)きを留めつつ、やや頭を下げて拝せんとするところで御座います...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...わたくしはそのみぎりお行列のなかにくわゝりましてえちぜんへお供いたしましたことゝて...
谷崎潤一郎 「盲目物語」
...あのみぎり、ひでよし公はお市どのをうばいそこねてたいそう御気色(みけしき)をそんぜられたそうでござりますけれども、わたくしが御前へ出ましたときは案に相違いたしましてすこしもそのような御様子がなかったばかりか、かえってあり難いおことばをさえいたゞきましたのは、お茶々どのを御らんなされましてきゅうにおぼしめしがかわったのでござります...
谷崎潤一郎 「盲目物語」
...其後爺さんは湘南漫遊の砌(みぎり)老父が許(もと)に立寄って...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...衛侯亡命の砌(みぎり)...
中島敦 「盈虚」
...「右健三三歳のみぎり養子に差遣(さしつかわ)し置候処(おきそろところ)平吉儀妻(へいきちぎさい)常(つね)と不和を生じ...
夏目漱石 「道草」
...散歩のみぎり毎朝眺めて通っていた...
室生犀星 「日本の庭」
...どうぞ御上京のみぎりは御立ち寄り下さい...
山崎富栄 「雨の玉川心中」
...右馬介よの」「若殿御上洛のみぎり...
吉川英治 「私本太平記」
...当社(とうしゃ)の広前(ひろまえ)で行(おこな)われました兵法大講会(へいほうだいこうえ)のみぎり...
吉川英治 「神州天馬侠」
...万一仕損じたみぎりは...
吉川英治 「新書太閤記」
...――志津ヶ嶽合戦のみぎり...
吉川英治 「新書太閤記」
...「出立のみぎり、常木(つねき)先生が、くれぐれもそちにおっしゃった言葉を、もう忘れているとみえる……」「へい」と、万吉は少ししおれる...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...私は日向(ひうが)國耳川(川口は神武天皇御東征の砌(みぎり)其處から初めて船を出されたといふ美々津港になつてゐます)の上流にあたる長細い峽谷の村に生れました...
若山牧水 「樹木とその葉」
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