...お妻の迷(まよい)をいたわって...
泉鏡花 「開扉一妖帖」
...「幽霊を見るのは気のまよいだといわれているでしょう...
海野十三 「四次元漂流」
...まよいこんだのじゃないかしら...
江戸川乱歩 「少年探偵団」
...わたしはさまよい出た一羽の鵞鳥(がちょう)が池の上をまさぐり歩き...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...五百人の成年と少年とともに政府の船に乗って寒気と嵐と喰人種とのあいだを幾千マイルも航海する方がやさしいという事実を間接に認めたことにすぎなかった――“Erret, et extremos alter scrutetur Iberos.Plus habet hic vitae, plus habet ille vitae.”「かれらをしてさまよい...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...日日(にちにち)その辺をさまよい歩くようになったが...
田中貢太郎 「赤い花」
...宇宙的さまよいの...
中井正一 「リズムの構造」
...前に遊魂のさまよい出でた時の光景と同じことでありましたが...
中里介山 「大菩薩峠」
...二人は抱き合いながら水に浸ってさまよい歩いた形跡があること...
中里介山 「大菩薩峠」
...雪の中へさまよい出た...
中谷宇吉郎 「白い月の世界」
...それだから千金の春宵(しゅんしょう)を心も空に満天下の雌猫雄猫(めねこおねこ)が狂い廻るのを煩悩(ぼんのう)の迷(まよい)のと軽蔑(けいべつ)する念は毛頭ないのであるが...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...彼ら布衣(ほい)のものが、草木を押しわけ、密林にさまよい、あげくの果てには有能な仲間を一人犠牲にまでしてやっと探しあてた土地でありながら、それがこんなに無雑作に知られていようとは少からず心外であった...
本庄陸男 「石狩川」
...剣のごとく白く黄金に、みそらより流るる熱く黄なる光よイオナの島のむろに祈る僧らのための火焔となれコラムの血管に流るる火となれ、彼の教うる地獄は彼のものとなれロックリンの人々の篝火(かがりび)となれよ、彼等かの島を見いだして亡ぼし尽さんために我このことを悟りぬ、古き神々は死なざる神々ほかのすべては眼に見ゆるもの、夢、狂気(まよい)、おちゆく潮おお太陽、神々のみおや、いのちのあるじ、みさかえあれ剣も槍もなが光線(ひかり)、なが息はほろぼしつくす火このアランの島に悲しみと死とわざわいをおくれわれにその身を与えしアルダナをのぞくすべての者にすべての者の一人一人に死を送れ、剣によらず徐(しず)かに来る死の呪いを送れ岩むろのモリイシャよりわが刑の執行者ムルタとデルミッドまでその時ムルタは樫の樹にちかく寄って叫んだ...
フィオナ・マクラウド Fiona Macleod 松村みね子訳 「精」
...南海の故郷をさまよい出でしよりここに十年...
正岡子規 「旅の旅の旅」
...迷(まよい)の衢(ちまた)をどことなく引き廻して歩かせ...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...雨の中をさまよい歩いた夜を思い出して...
山川方夫 「演技の果て」
...この浦塩の町をさまよい歩いた甲斐(かい)がありました...
夢野久作 「死後の恋」
...西川(せいせん)の嘉陵(かりょう)へさまよい...
吉川英治 「三国志」
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