...島原(しまばら)や祇園(ぎおん)の花見の宴(えん)も...
芥川龍之介 「或日の大石内蔵助」
...一天の疎(まばら)な星の光を時々曇らせているばかりであった...
芥川龍之介 「素戔嗚尊」
...往き交ふ人疎(まばら)にして...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...人かげもまばらでした...
江戸川乱歩 「黄金豹」
...今はイワンの髪の毛も、すつかりまつ白になり、ひげも長くのびて、まばらに、そして灰色になつてしまひました...
鈴木三重吉 「ざんげ」
...家がまばらに建っているので町内の距離はいいかげん大きいのである...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...まばらな星がちらちらと輝いていた...
豊島与志雄 「過渡人」
...松がまばらに生えてて……...
豊島与志雄 「潮風」
...大粒の雨がまばらに降りだしました...
豊島与志雄 「落雷のあと」
...わたしはまばらな通行人や...
トルストイ 米川正夫訳 「クロイツェル・ソナタ」
...「ごらんなさい、雷鳥が出て来ましたよ、あの鳥もまた人を怖れません」やがて頂上に近くなったのでしょう、残雪のまばらな、焼野原のようなところに出て来ました...
中里介山 「大菩薩峠」
...人のまばらになつたホームを歩いていつた...
林芙美子 「濡れた葦」
...遥かの山々の肌がまばらな雪の間から艶々しい青黛を輝かせてゐた...
牧野信一 「繰舟で往く家」
...その光線の鬢は白くまばらなので石膏(せっこう)細工の女かと思われた...
正岡子規 「ランプの影」
...寛永十四年冬島原攻(しまばらぜめ)の御供いたし...
森鴎外 「興津弥五右衛門の遺書」
......
八木重吉 「貧しき信徒」
...――そこは赭土(あかつち)に雑草がまばらに枯れているだけで...
山本周五郎 「季節のない街」
...牧草(ぼくさう)の原ひろくして楡の木の円き蔭のみ置く真昼かなまばらなる楡(にれ)の並木に風立ちて川の如くに光る牧草(ぼくさう)乾きたる煉瓦の色の雲のもと遠く明るき草の色かな聞くは唯だひろき草より立つ風の楡(にれ)の並木を吹き通る音首のべて柵(さく)のなかより見送りぬ忙(せは)しき旅を知らぬ羊らいにしへの公主の馬車も遠く来てこの楡(にれ)の木に風を聞きけん撫順に到る...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
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