...あらかじめその酒の中へまぜておいたのです...
江戸川乱歩 「怪人二十面相」
...一四 海水の滿干を現すために鹽にまぜる...
稗田の阿礼、太の安万侶 「古事記」
...ごちゃまぜになって僕を襲った...
太宰治 「新ハムレット」
...一級酒に私がウイスキイをまぜたんです...
太宰治 「母」
...このことを捕えていわゆる点描派は色をまぜあわさずにカンヴァスの上に原色を二つ並べてぬりつけるのである...
中井正一 「美学入門」
...二階の襖(ふすま)に半紙四ツ切程の大きさに複刻した浮世絵の美人画が張交(はりまぜ)にしてある...
永井荷風 「※[#「さんずい+(壥−土へん−厂)」、第3水準1-87-25]東綺譚」
...蝙蝠(湯女の魂)・蝦蟇・河童(飛剣幻なり)・蛭・猿(高野聖)等のかもし出す怪奇と、狭斜の巷に意気と張りとで生きて行く女性(婦系図のお蔦等・通夜物語の丁山・その他)純情の少女(婦系図のお妙・三枚続のお夏以下)勇み肌の兄哥(三枚続の愛吉)等のつくり出す情調と――この二つが、まぜあわされて、ここに、鏡花好みに統一された極楽浄土ともいうべき別乾坤ができ上るのである...
中島敦 「鏡花氏の文章」
...だから自然派じゃないよ」「しかし浪漫派(ローマンは)でもないだろう」と原口さんがまぜ返した...
夏目漱石 「三四郎」
...あのお酒には眠り薬がまぜてあったのです...
ジョナサン・スイフト Jonathan Swift 原民喜訳 「ガリバー旅行記」
...おいおい不安をまぜた険(けわ)しい顔つきになって...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...度を超えた快活な調子をまぜながら...
久生十蘭 「キャラコさん」
...それほど此の本を書いた作家がその中に自分を入れまぜてゐないやうに見えるからだ...
堀辰雄 「小説のことなど」
...余は皆喰ひて摺山葵(すりわさび)ばかり残し置きしが茶の料理は喰ひ尽して一物を余さぬものとの掟(おきて)に心づきて俄(にわか)に当惑し山葵(わさび)を味噌汁の中にかきまぜて飲む...
正岡子規 「墨汁一滴」
...○親豚子豚とりまぜてヒシヒシと動きまはつてゐる...
三好十郎 「おスミの持参金」
...ぺつとりと灰に薄い緑色をまぜた花のやうに蒸しついてゐた...
室生犀星 「京洛日記」
...母を祈る心と自分の永い生涯を祈る心とをとりまぜて祈ることは...
室生犀星 「性に眼覚める頃」
...つまり外部からかき集めた様々の論証推理を自然にまぜ合せた...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...城下を出奔したのです」老人は木の杓子(しゃくし)で鍋の中をかきまぜ...
山本周五郎 「橋の下」
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