...まごまごするうちに...
ハーバート・ジョージ・ウエルズ 海野十三訳 「透明人間」
...まごまごすると、片足ずつかけた二つの舟が、その足の力で見るみる離れて行って、俺は水のなかにおっこちそうだった...
高見順 「いやな感じ」
...ぼくは、あなたのことを、感傷的な形容詞で一杯、書き散らしていたところですから、なにか照れ臭(くさ)く、まごまごすると、慌(あわ)てて手帳をベッドの上の網棚(あみだな)に、抛(ほう)りあげ、そそくさ、部屋を出て行きました...
田中英光 「オリンポスの果実」
...しかし、実はさうした境が一番注意しなければならない危険な時代で、まごまごすると、その世間のために全く平にされて了ふことになるのである...
田山録弥 「半日の閑話」
...よろめいている商人に「まごまごするねえっ」「済みません」口早に...
直木三十五 「南国太平記」
...ここでちょっとまごまごするんです...
中谷宇吉郎 「先生を囲る話」
...まごまごすると、一年に一度の機会を失する」一番先に蜂屋文太郎が起(た)ち上りました...
野村胡堂 「古城の真昼」
...暫らくは檻の熊のようにまごまごするばかりでした...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...まごまごする娘っ子を叱り飛ばすようにして...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...仲仕はただまごまごするだけであった...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
...まごまごすると、ここで一人残らず殺されてしまわなければならない...
久生十蘭 「地底獣国」
...まごまごするとただじゃ済まねえぞ...
山本周五郎 「季節のない街」
...田舎者などは袂(たもと)を押えられてまごまごする...
山本笑月 「明治世相百話」
...まごまごすると烈火のように爆発するなぞいう難物があります...
夢野久作 「鼻の表現」
...無骨な矢代のことだからまごまごすると困るというので...
横光利一 「旅愁」
...都会人の遊楽地気分の中にまごまごする...
吉川英治 「随筆 新平家」
...よそのおかみさん達の中でまごまごするのも恥かしくはなく愉しかった...
吉川英治 「忘れ残りの記」
...まごまごするとその夜の泊りも許されまじい有様となった...
若山牧水 「青年僧と叡山の老爺」
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