...まごまごする...
梅崎春生 「狂い凧」
...ぼくは、あなたのことを、感傷的な形容詞で一杯、書き散らしていたところですから、なにか照れ臭(くさ)く、まごまごすると、慌(あわ)てて手帳をベッドの上の網棚(あみだな)に、抛(ほう)りあげ、そそくさ、部屋を出て行きました...
田中英光 「オリンポスの果実」
...しかし、実はさうした境が一番注意しなければならない危険な時代で、まごまごすると、その世間のために全く平にされて了ふことになるのである...
田山録弥 「半日の閑話」
...脚を(も)がれた昆虫が草の中をまごまごするように...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...まごまごするばかりでした...
豊島与志雄 「天下一の馬」
...まごまごすると刀(かたな)で切られそうですから...
豊島与志雄 「人形使い」
...まごまごするな邪魔になる坐つて見て居れと云ひますから私はヘイと云つて龍馬の側へ蹲(しやが)んで見て居りました...
楢崎龍、川田雪山 「千里駒後日譚」
...暫らくは檻の熊のようにまごまごするばかりでした...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...まごまごすると、ここで一人残らず殺されてしまわなければならない...
久生十蘭 「地底獣国」
...電車や自動車にまごまごするに違ひない...
北條民雄 「発病した頃」
...まごまごするな」袱紗をあけさせると...
山本周五郎 「七日七夜」
...田舎者などは袂(たもと)を押えられてまごまごする...
山本笑月 「明治世相百話」
...まごまごすると烈火のように爆発するなぞいう難物があります...
夢野久作 「鼻の表現」
...無骨な矢代のことだからまごまごすると困るというので...
横光利一 「旅愁」
...まごまごすると、おのれも鴉(からす)の餌食(えじき)だぞ」「なにを、こいつら...
吉川英治 「江戸三国志」
...魔に対しては、降魔(ごうま)の剣、邪に対しては破邪の拳(こぶし)、まごまごすると、おのれらの素っ首から先に申しうけるぞっ」六薪(まき)に油である、覚明の投げたことばは、山法師たちの顔を、すべて火にさせた...
吉川英治 「親鸞」
...都会人の遊楽地気分の中にまごまごする...
吉川英治 「随筆 新平家」
...よそのおかみさん達の中でまごまごするのも恥かしくはなく愉しかった...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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