...屋台のまがきに、藤、菖蒲(あやめ)、牡丹(ぼたん)の造り花は飾ったが、その紅紫の色を奪って目立ったのは、膚脱(はだぬぎ)の緋(ひ)より、帯の萌葱(もえぎ)と、伊達巻の鬱金(うこん)縮緬(ちりめん)で...
泉鏡花 「怨霊借用」
...これ、今、金色(こんじき)の精氣の中(なか)、花に、籬(まがき)に、園生(そのふ)の上(うへ)に飛びかひて、夜(よる)は輝き、晝は隱るる久遠(くをん)の天の運行に、往きつ、離(さか)りつ、はた戻りつ、とこしへに囘轉す、母なる星のめぐりを...
上田敏 上田敏訳 「牧羊神」
...人(ひと)待(ま)ちなれし眞籬根(まがきね)に...
薄田淳介 「白羊宮」
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高浜虚子 「五百句」
...低い籬(まがき)を結(ゆ)いめぐらした構えの向うに...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
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種田山頭火 「其中日記」
...よその籬(まがき)を踏み越えたり...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...――花の咲いた籬(まがき)の間の道をたどりながら...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...どこかの籬(まがき)からでも切り取ってきたような杖らしいものをついていた...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...獣の通るような音が籬(まがき)に起こって...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...ガヴローシュは籬(まがき)を乗り越そうとしたが...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...そのまま大籬(おおまがき)から突き出せそうな代物(しろもの)ですぜ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...廣々とした庭の籬(まがき)に...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...何となく「大籬(おおまがき)」というゆったりとしたものが感じられる...
正岡容 「艶色落語講談鑑賞」
...模様は「山水」のほか「四君子(しくんし)」とか「籬(まがき)に牡丹(ぼたん)」とか...
柳宗悦 「益子の絵土瓶」
...真垣(まがき)を越えて...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...まだ売れませんか」その八幡(はちまん)の玉垣(たまがき)の前へならんでいた夜店の燈籠売(とうろうう)りがとなりの者へはなしかけた...
吉川英治 「神州天馬侠」
...籬(まがき)の菊花(きく)に眼をやりながら...
吉川英治 「親鸞」
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