...あの、ちょっとした文章なり顔色なりを見て、すぐさまその人の心の奥底を洞察することにおいて、まさに天下一品とも称すべき批評家、僕はよくあの男のことをこんなふうに評価して多くのあきめくら作家どもから笑われるのだが、しかし君だけは真面目に同意してくれた、あの中村孤月ですらも、(もっともこの洞察も、まかり間違うと、ことに自分の利害と衝突する事柄にでも向うと)しばしばはなはだしい的はずれのウガチに過ぎなくはなるが、一時は君の言葉にだまされて、喜んでその吹聴をして歩いたという話だ...
大杉栄 「男女関係について」
...まかり間違うと内乱罪にひっかけられる恐れがある...
大杉栄 「日本脱出記」
...まかり間違うと、鼻持ちならぬキザな虚栄の詠歎に似るおそれもあり、または、呆(あき)れるばかりに図々(ずうずう)しい面(つら)の皮千枚張りの詭弁(きべん)、または、淫祠(いんし)邪教のお筆先、または、ほら吹き山師の救国政治談にさえ堕する危険無しとしない...
太宰治 「父」
...まかり間違うて大公儀の耳にでもそげな事が入ったなら...
夢野久作 「狂歌師赤猪口兵衛」
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