...妙にぽつんと切れてしまった...
有島武郎 「星座」
...ぽつんとした空虚な感じがあった...
梅崎春生 「狂い凧」
...僕たちの乗っているロケットが縹渺(ひょうびょう)たる大宇宙の中にぽつんと浮んでいる心細さに胸を衝(つ)かれた...
海野十三 「宇宙尖兵」
...ぽつんぽつんと所々に焼跡があるだけで大部分の町が残っていた...
海野十三 「一坪館」
...小さい一棟の二階建の家が広い敷地の中にぽつんと立っているばかりであったが...
高浜虚子 「漱石氏と私」
...そのうちにぽつんと切るように手が離れると...
谷譲次 「踊る地平線」
...今では時代おくれのしたあの浅いシェードを附けた電球がぽつんと燈っているのを見ると...
谷崎潤一郎 「陰翳礼讃」
...「よくない」彼はぽつんと答えた...
原民喜 「美しき死の岸に」
...少しは工員のことも考へてくれたらいいのに」と次兄はぽつんと口を挿む...
原民喜 「壊滅の序曲」
...「原田雲井さんだけは、今度はぜひ当選させたい」マンは、ぽつんと、いった...
火野葦平 「花と龍」
...ところによっては野原のようにだだっぴろい通りと涯(はて)しもない木柵(もくさく)の間にぽつんぽつんと立っており...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...やがてその感覚が確実になったのは川べりにぽつんと立つ家が見えてきたときだ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部」
...全く知った人のいない宿やへぽつんと一人でなんか行きたくないものなのね...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...ぽつんと立っている百姓家(ひゃくしょうや)が見えてきました...
セルマ・ラーゲルレーヴ Selma Lagerlof 矢崎源九郎訳 「ニールスのふしぎな旅」
...そうとは知らぬものだから」「五人みんなやったわけですか」「……草原に風が渡っていた」秀之進はぽつんと云った...
山本周五郎 「新潮記」
...「忘れまい」後醍醐は、やがてぽつんと、仰っしゃった...
吉川英治 「私本太平記」
...喰べ終ると、母はハンケチで顔の汗を拭きながら、ぽつんと云った...
吉川英治 「忘れ残りの記」
...妹の死をぽつんとぼくへ告げながら...
吉川英治 「忘れ残りの記」
便利!手書き漢字入力検索