...葉子の頭の上に張り渡された雨よけの帆布(ほぬの)の端(はし)から余滴(したたり)がぽつりぽつりと葉子の顔を打つたびに...
有島武郎 「或る女」
...その離れる前からスコールが迫つてゐて既にぽつりぽつりと大粒の雨が顏に當つてゐた...
海野十三(佐野昌一) 「南太平洋科學風土記」
...ぽつりぽつりと考えながら話すのである...
リチャード・オースティン・フリーマン Richard Austin Freeman 妹尾韶夫訳 「オスカー・ブロズキー事件」
...ぽつりぽつりやって来ました...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...不要なお世辞笑ひを抜きにぽつりぽつりと小声で話してゐたりしてゐる...
武田麟太郎 「現代詩」
...大粒の雨の雫(しずく)が水の上へぽつりぽつりと落ちて来た...
田中貢太郎 「岩魚の怪」
...曇った灰色の空からは大粒の雨がぽつりぽつりと落ちてきた...
近松秋江 「黒髪」
...夕方からぽつりぽつりと...
豊島与志雄 「叔父」
...あたりはまだ寝静まって、ぽつりぽつりと、朝帰りの男の影が、幻のように見えていた...
豊島与志雄 「溺るるもの」
...そんな風なことをぽつりぽつり云ったのです...
豊島与志雄 「香奠」
...ぽつりぽつりと、そのような語をしながら、二人はゆっくり足を運んだ...
豊島与志雄 「波多野邸」
...ぽつりぽつりと短い会話をんだ沈黙のうちに...
豊島与志雄 「反抗」
...ぽつりぽつりと置かれた将棋の駒のように黙って坐っていた...
豊島与志雄 「二つの途」
...彼はぽつりぽつり句切(くぎり)を置くような重い口調(くちょう)で答えた...
夏目漱石 「明暗」
...その間ぽつりぽつりと首を斬(き)られる知人や未知人の名前を絶えず耳にした宗助(そうすけ)は...
夏目漱石 「門」
...なにか貧弱なことをぽつりぽつりいって...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ルイスヒェン」
...川面にぽつりぽつり赤い燈...
宮本百合子 「九月の或る日」
...ぽつりぽつり雨の音がし始めてゐた...
吉井勇 「酔狂録」
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