...葉子の頭の上に張り渡された雨よけの帆布(ほぬの)の端(はし)から余滴(したたり)がぽつりぽつりと葉子の顔を打つたびに...
有島武郎 「或る女」
...ぽつりぽつりと降っていましたが...
ハンス・クリスチャン・アンデルセン Hans Christian Andersen 矢崎源九郎訳 「すずの兵隊さん」
...その離れる前からスコールが迫つてゐて既にぽつりぽつりと大粒の雨が顏に當つてゐた...
海野十三(佐野昌一) 「南太平洋科學風土記」
...氏はぽつりぽつりと言葉少に話しつづけた...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...今度は直訳するやうにぽつりぽつり語(ことば)を切りながら言つた...
薄田泣菫 「茶話」
...夏中ぽつりぽつり咲いていたカンナが...
寺田寅彦 「札幌まで」
...ぽつりぽつりとごく僅な雀斑(そばかす)が見えていた...
豊島与志雄 「叔父」
...ただ電燈がぽつりぽつりついてるだけで...
豊島与志雄 「溺るるもの」
...ぽつりぽつりと短い言葉を交わしながら...
豊島与志雄 「牛乳と馬」
...ぽつりぽつりと断片的に言うだけですし...
豊島与志雄 「花子の陳述」
...光子はぽつりぽつり話してきかした...
豊島与志雄 「古井戸」
...無辺際のうちにぽつりぽつりと物が散点しているような心持ちになります...
夏目漱石 「文芸の哲学的基礎」
...ぽつりぽつりと雨が顔へあたっていた...
夏目漱石 「満韓ところどころ」
...その間ぽつりぽつりと首を斬(き)られる知人や未知人の名前を絶えず耳にした宗助(そうすけ)は...
夏目漱石 「門」
...その頃の話をぽつりぽつり話してゐた...
林芙美子 「浮雲」
...早咲の上野の一重桜がほころびて巷は花の噂でぽつりぽつり浮きたつて来た頃...
牧野信一 「やぶ入の前夜」
...ぽつりぽつり語り出した...
吉川英治 「新書太閤記」
...思わず僕の心の底をみすかされたような気がしたんだ』とぽつりぽつり話し出すのであった...
蘭郁二郎 「蝕眠譜」
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