...やはり自分のいった言葉に従って一人(ひとり)ぽっちで台所に行ってすすぎ物をしていたのかと思うと...
有島武郎 「或る女」
...ひとりぽっちですわっていなければならないのでしょうか? いやいや...
ハンス・クリスチャン・アンデルセン Hans Christian Andersen 矢崎源九郎訳 「絵のない絵本」
...犯人はこれっぽっちも疑われる心配はないんだから...
江戸川乱歩 「断崖」
...ブツブツ云う奴は恥じろ!ああ! 一人ぽっちだった俺...
江森盛彌 「赤兵の歌」
...その涙金の二百円ぽっちりの金を...
豊島与志雄 「黒点」
...万人から辱(はずかし)められ、だれからも愛せられず、ただ一人で、一人ぽっちで、しかも非常に頼り少ないのだ!――正にそのとおりだった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...同年輩の者たちから離れて一人ぽっちで暮らしながら...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...一人ぽっちの私は恋のようにあこがれた...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...妾はいつも一人ぽっちにて...
福田英子 「妾の半生涯」
...これぽっちもない...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部」
...私は元来土佐高岡郡佐川町の酒造家に生まれた一人ぽっちの伜(せがれ)であるが...
牧野富太郎 「牧野富太郎自叙伝」
...誰の胸の奥にでも必ずぽっちりはある感傷癖を誘い出すように聞えるのだ...
宮本百合子 「或る日」
...それらをできるだけ独りぽっちに孤立させた...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...これっぽっちしか持って来ねえのか...
山本周五郎 「季節のない街」
...これっぽっちも面白味のない人だったわ」「もうちょっと云わせて」とおそのは頭をぐらぐらさせながら続けた...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...あんたもあんたにそんな話をした人も本当のことはこれっぽっちも知っちゃいない...
山本周五郎 「柳橋物語」
...「女房にはずいぶん苦労や心配をさせて来た、こんどこそ二人で世帯(しょたい)をもち、幾らか楽をさせてやれる、……そう思って手紙を出した、女房はよろこんだ手紙をくれた、そして今月いっぱいで暇をとることにして、蒲団やなにかは二三日まえに着いたんだが、……今朝あれから電報があって、今夜の九時に神戸へ着くといって来たんだよ」「それじゃあぼくたちが飲んでいたじぶん」「そうなんだ、ぼくたちが飲んでいたじぶんあれは神戸へ着いたんだ……誰も迎えに出ていやしない、独りぽっちで、初めての土地なんだ……あれは自分で荷物を持って、ところ番地をたよりに、こんな寒い夜道を……」彼はまた喉をぐっと詰らせた...
山本周五郎 「陽気な客」
...独りぽっちでいる黒吉の眼が...
蘭郁二郎 「夢鬼」
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