...身体(からだ)が蒼(あお)い後光がさすように薄ぼんやりした態(なり)で...
泉鏡花 「縁結び」
...ぼんやりした声で言った...
梅崎春生 「狂い凧」
...ぼんやりした、何だか分らないものが『私こそ奥さんの死因なんですよ』と云わぬばかりに、そこにじっとしているんだ...
江戸川乱歩 「恐ろしき錯誤」
...ぼんやりした目でトゥロットの顔を見上げました...
鈴木三重吉 「乞食の子」
...「それがこうやって車を停めて見てもだれもいやしないんですが……何度も同じ子供がうろつくなんて眼のせいかなあ!」とぼんやりした声を出した...
橘外男 「逗子物語」
...ぼんやりした薄白い光が射して...
田中貢太郎 「蟇の血」
...なにかしらぼんやりしたひゞきが...
豊島与志雄 「スミトラ物語」
...空(そら)が左(さ)もがつかりしたやうにぼんやりした...
長塚節 「土」
...門野(かどの)のぼんやりした白地(しろぢ)が又廊下のはづれに現(あら)はれた...
夏目漱石 「それから」
...二つの間にはさまるぼんやりしたただの時間を認めなければならなかった...
夏目漱石 「明暗」
...顏ねぼけた櫻の咲くころ白いぼんやりした顏がうかんで窓で見てゐる...
萩原朔太郎 「定本青猫」
...意氣地(いくぢ)のないぼんやりした人となりが覗いてゐる――少くとも私にはさう思へたのだ...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...朝食後ぼんやりした気持でベッドの上に坐り窓外を眺めてゐると...
北條民雄 「重病室日誌」
......
室生犀星 「愛の詩集」
...我々の眼のようなぼんやりした眼にはとかく見おとされがちである...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...私のぼんやりしたその空虚(くうきよ)な心のなかから...
横光利一 「美しい家」
...ひどく打たれて風景も見えないほどぼんやりしたまま黙っていたが...
横光利一 「馬車」
...ぼんやりした類似性が認められるなどと仄めかす始末だった...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
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