...灌木の林の前に茫然(ぼんやり)と立つて...
石川啄木 「札幌」
...僕は頭がなんだかぼんやりしてしまった」といったのも道理です...
海野十三 「怪塔王」
...「なにを、ぼんやりしとる...
海野十三 「火薬船」
...そのまま写真のように銀のおぼんの表面に...
江戸川乱歩 「宇宙怪人」
...ぼんやりしていた...
太宰治 「HUMAN LOST」
...ぼんやりとして物に迷ったようになった...
蒲松齢 田中貢太郎訳 「嬰寧」
...夜の色が薄ぼんやりとあたりに迫つて來てゐた時...
田山花袋 「道綱の母」
...ぼんやりした薄暮の明るみが...
豊島与志雄 「狐火」
...そんなものが彼の頭をぼんやりさし...
豊島与志雄 「生あらば」
...彼は窓をすっかり開け放してぼんやり外を眺めた...
豊島与志雄 「反抗」
...彼女はただぼんやり目を見開いたまま何にも見ず...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...途法にくれてあたりを見る時一吹雪の中にぼんやり蕎麦屋の灯が見えた嬉しさ...
永井荷風 「雪の日」
...それから思うと内の文三なんざア盆暗(ぼんくら)の意久地なしだッちゃアない...
二葉亭四迷 「浮雲」
...雨にけぶった植込みなどをぼんやりと見入っていたりする事が多かった...
堀辰雄 「ほととぎす」
...おしのはぼんやりとそう思った...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...……ほどなく梵鐘(ぼんしょう)いんいんと鳴る中を導師(どうし)に引かれて...
吉川英治 「新・水滸伝」
...ぼんやりしていた...
吉川英治 「平の将門」
...佐渡平、ではやがて近いうちに、貴様の弟忠三郎の仇(かたき)もとってやるぞ」たちまち、前垂れをはずし、縞(しま)の着物をかなぐり捨てると、そこにあった、ぼんてん帯に、仲間法被(ちゅうげんはっぴ)、真鍮(しんちゅう)こじりをうしろに差し込んで、「一走り、行って来る」と、小箱をふところに、裏口から飛び出した...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
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