...聞き覚えのおぼつかなき人工呼吸を必死と試みた...
伊藤左千夫 「奈々子」
...太い煙突から晴れた空へ煙が青くのぼつてゐた...
太宰治 「陰火」
...臺所の戸棚の上によぢのぼつてまで搜した...
太宰治 「思ひ出」
...只おぼつかないのはあなたの御両親ですね」糸子はしほれながら「私は両親がゆるしてくれないなら...
田澤稲舟 「五大堂」
...・日向ぼつこする猫も親子小春日...
種田山頭火 「行乞記」
...あの自動車がいろいろなものを運んで来た」凹凸(でこぼこ)した道を辛うじてのぼつて来た一台の自動車は...
田山録弥 「浴室」
...M先生の歿後(ぼつご)...
徳田秋声 「黴」
...翌日の糧(かて)を稼(かせ)ぎ出さんがために覚束(おぼつか)ない努力をしていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...日(ひ)が西(にし)の空(そら)の土手(どて)のやうな雲(くも)の端(はし)に近(ちか)く据(すわ)つて漸次(だん/\)に沒却(ぼつきやく)しつゝ瞬(またゝ)いた...
長塚節 「土」
...多くの者は壁へ擧ぢのぼつて月をつかまへようとしたが...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「狂人日記」
...自分らの食糧や衣類はおぼつかない海運に委(まか)せた彼らが...
本庄陸男 「石狩川」
...おぼつかなくも鍬(くわ)をもち...
本庄陸男 「石狩川」
...近きしるしなきおぼつかなさは恨めしく...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...まけたはうが のぼつてゆくことに しました...
村山籌子 「お鍋とお皿とカーテン」
...――さかのぼつては古美術の面でも...
吉川英治 「折々の記」
...二番目の駕に急用があるんだ」「春日新九郎の駕を俺たちに渡して通れ」「不埒(ふらち)なことを申せッ」云わせも果てず黒装束の一人が勃然(ぼつねん)とした声で...
吉川英治 「剣難女難」
...「聟殿が、てれまする」老人から、ぼつぼつ、着席する...
吉川英治 「松のや露八」
...独りで練技を試している者がぼつぼつ増えていた...
吉川英治 「宮本武蔵」
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