...昔の人が十徳(じっとく)にでも着そうな石摺(いしず)りの羽織をぼってりと着込んで...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...駅逓馬車で来た旅客たちはいつも頭の先から足の先までぼってり身をくるんでいたので...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...ぼってりとした容積で肉がついていた...
豊島与志雄 「小説中の女」
...力強いぼってりした腕で...
豊島与志雄 「春」
...ぼってりしたあなたの胸から肩へ掌を押しあてながら...
豊島与志雄 「未亡人」
...下頬に贅肉がぼってりしていて...
豊島与志雄 「無法者」
...襦袢の半襟だけがぼってりと厚く...
豊島与志雄 「無法者」
...力の抜けている手は無性に冷たくてぼってりと柔い...
林芙美子 「晩菊」
...ああ」さわ子はぼってりとした肉付で重い体を捩るようにしてまた涙をこぼしはじめた...
「海流」
...この頃から八重桜のぼってりと咲く時分私は一番苦しい時です...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...ぼってりした八重桜がうるさく見えたのも...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...石井さんはぼってりで...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...イタリア人はぼってりと肥えた女を美人とし...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...ぼってりと盛りあがった乳房が割烹着の上からあらわな形をみせて...
矢田津世子 「女心拾遺」
...おねだりかい」こう口先きだけは窘(たしな)めるように云うても眼は笑ってお初のぼってりとして胸もとの汗ばんだ膚(はだえ)をこっそりと愉しんでいる...
矢田津世子 「神楽坂」
...ぼってりした手でぎゅっと握られ...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...ぼってりと柔軟なその体を...
吉川英治 「私本太平記」
...ぼってりと色の小白い旦那風(ふう)であった...
吉川英治 「新・水滸伝」
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