...古ぼけた板屋根の門の前へ出る...
芥川龍之介 「漱石山房の秋」
...という空っとぼけたものだった...
犬田卯 「米」
...木造(もくぞう)の背の高い古ぼけた各教室は...
海野十三 「恐怖の口笛」
...古ぼけた洋館が建っていた...
海野十三 「ふしぎ国探検」
...古ぼけた障子を眺めて...
高濱虚子 「俳諧師」
...木綿麻の随分古ぼけた夏物が二枚壁際に投出されているばかりである...
永井荷風 「つゆのあとさき」
...迷亭はとぼけた顔をして「君のような親切な夫(おっと)を持った妻君は実に仕合せだな」と独(ひと)り言(ごと)のようにいう...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...葉っぱばかりさやさや揺れているしんとした山岨(やまそば)の段々畑から派手なような寝ぼけたような歌ごえが聞えてくるというのは...
久生十蘭 「生霊」
...古ぼけた朽木(くちき)のような潜戸の間から出たおせいの顔は...
火野葦平 「糞尿譚」
...高い塀に取り圍まれた古ぼけた建物が...
堀辰雄 「風景」
...その人はぼけたふうにうなずいた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...旅客が寝ぼけた顔をして...
ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 森林太郎訳 「駆落」
...その折りたたみの古ぼけた膳の前へ坐り直した...
山本周五郎 「青べか物語」
...「あのねぼけたような顔がきゅっとちぢまり...
山本周五郎 「季節のない街」
...おまえが降参したことをちゃんとやっているではないか」お祖父さんはとぼけたような顔でこう云った...
山本周五郎 「桑の木物語」
...いいえただねぼけたのに違いないとうち消してしまったのだけれど...
山本周五郎 「日本婦道記」
...一枚の古ぼけた新聞の号外が下敷になっているのを発見した...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...いまに空(そら)とぼけた顔をして...
吉川英治 「神州天馬侠」
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