...何段となく古ぼけた背皮を並べて...
芥川龍之介 「路上」
...そらとぼけたような笑い顔...
岩野泡鳴 「耽溺」
...とぼけたりするような男ではない...
梅崎春生 「狂い凧」
...河野のは古ぼけた横に長い奴...
江戸川乱歩 「湖畔亭事件」
...古ぼけた障子を眺めて...
高濱虚子 「俳諧師」
...よくとぼけた戯談(じょうだん)を言った...
近松秋江 「黒髪」
...十七伯母さんは古ぼけた行燈に火をともし「ちよつと待つとつとくれんか...
中勘助 「銀の匙」
...古ぼけた葭戸(よしど)を立てた縁側の外(そと)には小庭(こにわ)があるのやらないのやら分らぬほどな闇(やみ)の中に軒の風鈴(ふうりん)が淋(さび)しく鳴り虫が静(しずか)に鳴いている...
永井荷風 「すみだ川」
...さもなければ浮世を茶にしたとぼけた人体(にんてい)に相違ない...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...とぼけたようにそらしているが...
久生十蘭 「川波」
...代表部の古ぼけたロードスターで大森海岸にある東京俘虜収容所の建物を見に行った...
久生十蘭 「ノア」
...寢ぼけたやうな顏をして...
堀辰雄 「旅の繪」
...古ぼけた天井を指差し...
牧野信一 「R漁場と都の酒場で」
...伴 (寝ぼけたような顔をあげて)人見...
三好十郎 「その人を知らず」
...さすがに悲しみにぼけたふうには人から見られたくない...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...私は黄色くなりかけている古ぼけた調緒(しらべ)をゆるめて胴を外(はず)して...
夢野久作 「あやかしの鼓」
...先手を打ってとぼけた...
吉川英治 「三国志」
...その背後(うしろ)には古ぼけた七ツ下りのフロックを着けた紳士が恐々(おずおず)と随いて来た...
モウリス・ルブラン 新青年編輯局訳 「水晶の栓」
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