...……茫々莫々(ぼうぼうばくばく)たる焼け跡の真黒な世界は...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...こんとんとしてぼうぼうばくばくなり十二月十五日 晴...
種田山頭火 「四国遍路日記」
...相変らず茫漠(ぼうばく)たる水また水である...
寺島柾史 「怪奇人造島」
...変に茫漠(ぼうばく)として大きい...
寺島柾史 「怪奇人造島」
...ロシア映画のスクリーンのかなたにはいつでも茫漠(ぼうばく)たるシベリアの野の幻がつきまとっている...
寺田寅彦 「映画芸術」
...かの茫漠(ぼうばく)たるステッペンやパンパスを漂浪する民族との比較を思い浮かべるときにこの日本の地形的特徴の精神的意義がいっそう明瞭(めいりょう)に納得されるであろうと思われる...
寺田寅彦 「日本人の自然観」
...騎兵の茫漠(ぼうばく)たる遠い疾駆の音...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...その他は靄(もや)深い重々しい痛ましい茫漠(ぼうばく)たる闇(やみ)で...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...どうしても茫漠(ぼうばく)として当りがつきませんでしたが...
中里介山 「大菩薩峠」
...雪の場合のように目標が茫漠(ぼうばく)としていて...
中谷宇吉郎 「実験室の記憶」
...親分」八五郎は茫漠(ぼうばく)とした顔を挙げました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...曖昧茫漠(あいまいぼうばく)としたものを排斥して...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...居着いた借家――それは今も彼の棲(す)んでいる家だったが――は海の見える茫漠(ぼうばく)とした高台の一隅にあった...
原民喜 「苦しく美しき夏」
...泥海と茫漠(ぼうばく)たる野づらの涯(はて)しなくつづくそこの土地の妖(あや)しい空気をすぐ外に感じながら...
原民喜 「冬日記」
...湖水(みずうみ)のように茫漠(ぼうばく)とひろがる月夜の海を...
久生十蘭 「あなたも私も」
...五阿賀妻は茫漠(ぼうばく)とした顔でその話を聞いていた...
本庄陸男 「石狩川」
...一つ一つの内容は如何にも茫漠(ぼうばく)としてはいるが...
柳田国男 「海上の道」
...この周馬は何をつかむ勘定になるんだな? それが拙者には茫漠(ぼうばく)なのだ」「勘定? ……フーム...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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