...ほらあなのそとで...
江戸川乱歩 「怪奇四十面相」
...またほら穴のおくに...
江戸川乱歩 「海底の魔術師」
...「――ほら、母あちやんがさ」むつつりした秀一は、じろりとおしげを見た、――彼は先日、本当か嘘か酔つた拍子に、君の母あちやんに惚れたよ、と放言したことがあつた、何云つてんのよ、あんな年よりにと茶化しかかつたが、その時思ひかへして、それ冗談なんでしよ、と詰め寄せた、すると、真顔になつて、冗談ぢやないよ、と云ひ切り、おしげが、無理しないがいいわ、と云つても、次から次へと空の銚子を振つて催促したものだ...
武田麟太郎 「一の酉」
...「君、ここは神田の鍛冶町(かじちょう)だよ、ほら、神田鍛冶町の角の乾物屋の勝栗(かちぐり)ア堅くて噛(か)めない勝栗(かちぐり)ア神田の……」「は、は、は、あの乾物屋だね、きっと」二人にとってはそんな風に、何もかも見るものすべて珍しく面白かった...
竹久夢二 「誰が・何時・何処で・何をした」
...ちらほら小雪がふつて冷たい...
種田山頭火 「其中日記」
...嘘(うそ)つきの英雄を――法螺(ほら)吹きのシラノや空威張りの雛(ひよ)っ子のシャントクレルなどを――この時代が英雄としてることは...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...それが勘五郎なら赤シャツは嘘つきの法螺右衛門(ほらえもん)だ」「教頭さんが...
夏目漱石 「坊っちゃん」
...「いったい、税金って何に使うか知ってる?」と十五歳の姪に尋ねると、「ほら、大名(だいみょう)旅行ってあるじゃない、あんなのじゃないの」と云う答えだった...
林芙美子 「生活」
...四女狐はニッコリ笑って、「ほらね、あれは、あたしの眷属(けんぞく)……」頭に掛けていた手拭をとると急に真面目な言い方になって、「これをお敷きなさいまし...
久生十蘭 「生霊」
...或は「法螺吹(ほらふ)きだ」と云う...
二葉亭四迷 「浮雲」
...「意地わる!」「だって、ほら、其処知っているでしょう?」と私は、私たちの行く手の暗がりの中に小さなせせらぎが音立てているのを指しながら、「水車の道じゃないの?」と快活そうに言った...
堀辰雄 「美しい村」
...ほら美容術をする人が一杯来ていました...
三浦環 「お蝶夫人」
...ほら、直ぐまたおねんねです...
三好十郎 「樹氷」
...」「おめえにもそんなしほらしい氣があるかな...
室生犀星 「命」
...ほら、よく見ると黒い目金(めがね)をかけているでしょう、だから初め目が見えないと思っていなかったので、突然、ハモニカを吹き出したのでわたし吃驚(びっく)りしてしまったんです...
室生犀星 「童話」
...「ほら、尾(つ)いて行くぜ...
室生犀星 「後の日の童子」
...羊のほら穴(あな)の中に...
セルマ・ラーゲルレーヴ Selma Lagerlof 矢崎源九郎訳 「ニールスのふしぎな旅」
...「知るもんかさ」「いやだなあ、ほら、そこのエハガキ屋をごらんなさい...
オン・ワタナベ(渡辺温) 「兵士と女優」
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