...根雪に残るのじゃあございません、ほんの前触れで、一きよめ白くしましたので、ぼっとほの白く、薄鼠に、梟の頂が暗夜(やみ)に浮いて見えました...
泉鏡花 「唄立山心中一曲」
...闇の中にほの白く見えていました...
江戸川乱歩 「黒手組」
...妹さんも傍にほの白く立って居て...
太宰治 「老ハイデルベルヒ」
...夜(よる)ほの白く...
徳冨蘆花 「花月の夜」
...今まで王子の前にほの白く続いていた一筋の道が...
豊島与志雄 「夢の卵」
...白みがかった深い青空には五、六の星座がそこここに点在し、地はまっ黒であり、空はほの白く、草の葉にはかすかな震えがあって、至るところに黎明(れいめい)の神秘な戦慄(せんりつ)があった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...遥かに布を張ったようにほの白く見えました...
中里介山 「大菩薩峠」
...その左手の天、ほの白く、アルクツルスと覚しき大星、赤紫光を放つ...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...夜目にもほの白く光つて見えるので...
野上豐一郎 「大戰脱出記」
...灰を撒(ま)いたようにほの白く見えます...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...それよりもほの白く清らかな頬や...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...ほの白く光っている...
久生十蘭 「あなたも私も」
...窓がほの白くなり...
久生十蘭 「キャラコさん」
...窓ガラスの爆風除けの紙だけが空明りの反射でほの白く浮きあがっている...
久生十蘭 「だいこん」
...そこへ星あかりの暗がりからぼうっとほの白くコスモスの花がみえてくる...
山本周五郎 「陽気な客」
...そしてほの白くしんと...
山本周五郎 「陽気な客」
...見るからにほの白く褪(あ)せてゐる...
若山牧水 「樹木とその葉」
...山の襞田圃の畔到るところにほの白く寂しい姿を見せていた...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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