...今は人あまた集(つど)へりと覺しく...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...汽車の帰途(かへり)の路すがら...
石川啄木 「天鵞絨」
...行きける妹(いも)がふりかへり見けんも更にわかざりき...
田山録弥 「ひとつのパラソル」
...意地(いぢ)の惡(わる)い横縞(よこじま)めが東(ひがし)の空(そら)の雲(くも)の裂目(さけめ)にあのやうな縁(へり)を附(つ)けをる...
シェークスピヤ William Shakespeare 坪内逍遙訳 「ロミオとヂュリエット」
...その最鋭の軍勢は數はた他(ほか)に拔きいでゝ長鎗振ひ戰へり...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...甘美の言にねぎらへり...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...私が彼女を殴へりつけたという事実だけが...
豊島与志雄 「理想の女」
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野口雨情 「未刊童謡」
...どうしたものだ」平次は靜かに八五郎を顧(かへり)みるのでした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...おいたはしき事とは太吉も言ひぬ、お倉も言へり、心なきお三どんの末まで孃さまに罪ありとはいささかも言はざりき、黄八丈の袖の長き書生羽織めして、品のよき高髷にお根がけは櫻色を重ねたる白の丈長、平打の銀簪(ぎんかん)一つ淡泊(あつさり)と遊して學校がよひのお姿今も目に殘りて、何時舊のやうに御平癒(おなほり)あそばすやらと心細し、植村さまも好いお方であつたものをとお倉の言へば、何があの色の黒い無骨らしきお方、學問はゑらからうとも何うで此方(うち)のお孃さまが對にはならぬ、根つから私は褒めませぬとお三の力めば、夫れはお前が知らぬから其樣な憎くていな事も言へるものの、三日交際(つきあひ)をしたら植村樣のあと追ふて三途の川まで行きたくならう、番町の若旦那を惡いと言ふではなけれど、彼方とは質(たち)が違ふて言ふに言はれぬ好い方であつた、私でさへ植村樣が何だと聞いた時にはお可愛想な事をと涙がこぼれたもの、お孃さまの身に成つては愁(つ)らからうでは無いか、私やお前のやうなおつと來いならば事は無いけれど、不斷つゝしんでお出遊ばすだけ身にしみる事も深からう、彼の親切な優しい方を斯う言ふては惡いけれど若旦那さへ無かつたらお孃さまも御病氣になるほどの心配は遊ばすまいに、左樣いへば植村樣が無かつたら天下(てんが)泰平に納まつたものを、あゝ浮世は愁らいものだね、何事も明すけに言ふて除ける事が出來ぬからとて、お倉はつく/″\儘ならぬを傷みぬ...
樋口一葉 「うつせみ」
...西土にいふ鬼弾の類なりといへり...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...此方は一直線に田甫道を寄切つて丘を伝うて進むのだから時間の相違は殆ど同じ程度だらう――などと思つて彼はステツキを振りながら彼方此方に月見草が咲いてゐる夕暮時に近い田甫道を小川のへりに沿うて急いで行つた...
牧野信一 「黄昏の堤」
...宝永四年(1707)出版の『伊勢参宮按内記(いせさんぐうあんないき)』巻之下には「浜荻(はまおぎ)(三津村の南の江にあり) 片葉の芦(あし)の常の芦にはかはりたる芦なり是を浜荻といへり此辺り田にすかれて今はすこしばかりの浜荻田間にのこれり」とある...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...下腹部が書卓のへりにめいりこむやうに...
室生犀星 「はるあはれ」
...秋の心歌はんとして躊躇(ためら)へり...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...それと同時に、ただいちめんの野と見えた、あなたこなたのすすきの根、小川のへり、窪地(くぼち)のかげなどから、たちまち、むくむくとうごきだした人影...
吉川英治 「神州天馬侠」
...小舟の縁(へり)から白い手をのばし...
吉川英治 「宮本武蔵」
...かへりて讃仏乗の縁なり」とする思想は...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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