...口が少しへの字になつて鼻先が下に曲つてるけれども...
石川啄木 「天鵞絨」
...口をへの字に頤(あご)の下まで結んで鼻を一すすり...
泉鏡花 「薄紅梅」
...への字にまがるのを船客たちは見のがさなかった...
海野十三 「海底大陸」
...唇をへの字にぎゅっと曲げた...
海野十三 「地獄の使者」
...さも生真面目なへの字を作り...
江戸川乱歩 「五階の窓」
...口をへの字型にぎゆつと引き結び...
太宰治 「お伽草紙」
...憲兵大将は唇をへの字にしながら...
久生十蘭 「だいこん」
...一瞬口をへの字に結んだのはムーアが肩を触った時だった...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部秘話」
...それならわけはないだろう」「……困っちゃったなあ」子供は口をへの字なりにして考えこんだが...
山本周五郎 「新潮記」
...口をへの字なりにして...
山本周五郎 「風流太平記」
...というわけですね」「次の質問を聞こう」七十郎は唇をへの字なりに曲げて...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...中禿の頭の毛、ダダッ広い額、ゲジゲジ眉、尻下りになった眼、小さな耳、大きな鷲鼻、への字なりの口、軍艦のようなアゴと念入りに書き上げてパタリと雑記帳を伏せると、その人が大きな眼を開いて私を見た...
夢野久作 「ざんげの塔」
...眼を半眼に開いてへの字口をしている...
夢野久作 「暗黒公使」
...前内閣総理大臣大隈重信(おおくましげのぶ)の顔も、新聞を見ないトム公には、幸いにも、あのへの字口が、そう大したものに見えなかった...
吉川英治 「かんかん虫は唄う」
...大きくへの字にむすんだままである...
吉川英治 「新書太閤記」
...大きく唇(くち)をへの字にむすんだ理(わけ)は...
吉川英治 「新書太閤記」
...への字のままである...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
...口をへの字に結んでしまった...
蘭郁二郎 「夢鬼」
便利!手書き漢字入力検索