...上のほうだけがへの字を描いてぼんやりと空に浮かんでいた...
有島武郎 「或る女」
...への字口の鼻先が下向いた奥様とである...
石川啄木 「天鵞絨」
...への字にまがるのを船客たちは見のがさなかった...
海野十三 「海底大陸」
...「犯人はまだ決定しとらん」課長は口をへの字に曲げていった...
海野十三 「恐怖の口笛」
...紫色の大きなくちびるをぐっとへの字にむすんで...
海野十三 「金属人間」
...唇をへの字にぎゅっと曲げた...
海野十三 「地獄の使者」
...さっぱり収穫はないじゃないですか」「君はそう思うかね」老探偵は唇をぐっとへの字に曲げた...
海野十三 「断層顔」
...腕組みして口をへの字に結んだりして...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...への字形に爲せしと思はる...
坪井正五郎 「コロボックル風俗考」
...長いしっぽをへの字に曲げて...
寺田寅彦 「子猫」
...うすい唇をへの字にひきむすんで...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...憲兵大将は唇をへの字にしながら...
久生十蘭 「だいこん」
...いずれも唇をへの字に結び...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...口をへの字に結んだ邦夷は...
本庄陸男 「石狩川」
...への字に引きしめて...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...そして厚い唇をへの字なりにしたかと思うと...
山本周五郎 「新潮記」
...「では加賀邸へも小普請奉行から使いがいったのか」「此処へもですか」「いま小出から聞いたばかりだ」休之助は口をへの字なりにし...
山本周五郎 「風流太平記」
...口だけがへの字になって怒りを見せるのとは同日の論でないのであります...
夢野久作 「鼻の表現」
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