...女は黙って頷(うなず)きながら丹治の前へその茶碗を持って来た...
田中貢太郎 「怪人の眼」
...右へそれたり左へ曲つたり...
種田山頭火 「行乞記」
...その行詰った塀なり軒なりへそれを倒しかけてスルスルと上って行きます...
中里介山 「大菩薩峠」
...圭さんは臍(へそ)を洗うのをやめて...
夏目漱石 「二百十日」
...銀葉の上へそれを置くと...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...鳴子坂(なるこざか)の通りへそれを張りに出て行った...
林芙美子 「新版 放浪記」
...秘書課長へその由を伝えて置いてもらいたい」と言うのであった...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
...よしてくれ!……おれの足へそんなものを塗ったくっているのは誰なんだ!……おい...
久生十蘭 「キャラコさん」
...スープへだよ! スープへそんなものを入れやがるんだ!」「あなたは...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...二階の物干し台へそっと一人で昇って行こうとしていた...
松永延造 「ラ氏の笛」
...背戸(せど)から隣の家へそっと火を借りに行くなどということは...
柳田国男 「木綿以前の事」
...終始両人の臍(へそ)が茶を沸かしたということである...
山本周五郎 「長屋天一坊」
...どこへその善性を向けたらいゝのか...
吉川英治 「折々の記」
...調べてみると馬飼の士卒が結託して馬を盗みだし、城外に出て、敵へそれを献じ、敵の恩賞にあずかろうと小慾な企てをしていたということが分った...
吉川英治 「三国志」
...甲斐(かい)へそそぐ笛吹川(ふえふきがわ)のあおいうねりがあるばかり...
吉川英治 「神州天馬侠」
...ちっとばかり臍(へそ)が曲がって付いてるんだ...
吉川英治 「新・水滸伝」
...すぐ光悦へそれを示して...
吉川英治 「宮本武蔵」
...さっそく小島の小母さんへそれを返済に行った...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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