...片手づきに、白襟の衣紋(えもん)を外らして仰向(あおむ)きになんなすった、若奥様の水晶のような咽喉(のど)へ、口からたらたらと血が流れて、元結(もっとい)が、ぷつりと切れた...
泉鏡花 「唄立山心中一曲」
...ぷつりと切れてしまった...
海野十三 「浮かぶ飛行島」
...弾丸は怪塔王の足をぷつりとうちぬいた――かと思いのほか...
海野十三 「怪塔王」
...怪塔王の声はぷつりと切れました...
海野十三 「怪塔王」
...いまにもぷつりと切れそうだ...
海野十三 「大空魔艦」
...さうして長い滑空の末に眞黒なうねりの横腹にぷつりと頭を突込む...
海野十三(佐野昌一) 「南太平洋科學風土記」
...」手紙はこれでぷつりと終つてゐます...
鈴木三重吉 「勇士ウ※[#小書き片仮名ヲ]ルター(実話)」
...彼らは一時に話をぷつりと切った...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...尾頭(おかしら)ともにぷつりと折れてしまう黒い線を認めるだけである...
夏目漱石 「思い出す事など」
...「あなたの方が姉さんよ」と藤尾は向うで入れる捜索(さぐり)の綱を、ぷつりと切って、逆(さか)さまに投げ帰した...
夏目漱石 「虞美人草」
...もし両方共困難ならぷつりと縁を截(き)って...
夏目漱石 「坑夫」
...すると頭の切れた蛇がまた二三寸ぷつりと消えてなくなった...
夏目漱石 「趣味の遺伝」
...ぷつりぷつりと半分程の長さに剪(き)り詰めた...
夏目漱石 「それから」
...そのかんじん撚はぷつりと切れた...
夏目漱石 「道草」
...ぷつりと自殺した...
原民喜 「鎮魂歌」
...今まで自分を動かして来た総ての力もここでぷつりと断ち切れ...
横光利一 「旅愁」
...何か、火急か」「いやべつに」兄との会話は、そこで、ぷつりと切って、不承不承に、連れの道誉の馬上へも、形式的に頭(ず)を下げた...
吉川英治 「私本太平記」
...それと共に、揮(ふ)り伸ばした物干竿は、忠明の姿を真二つに斬り下げたかのような旋風(つむじかぜ)を起し、忠明の髷(まげ)のもとどりは、それを交(か)わすに急なため、逆立って、ぷつりと、元結(もとい)の根が切れた...
吉川英治 「宮本武蔵」
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