...お爺(じい)さんの白衣(びゃくい)の姿(すがた)はぷいと烟(けむり)のように消(き)えて...
浅野和三郎 「霊界通信 小桜姫物語」
...ぷいとそっぽを向いて「キュウ!」と楽器的な音響を発する...
谷譲次 「踊る地平線」
...朝から来て夕方ぷいと出て行ってしまうか...
谷崎潤一郎 「細雪」
...美津子さんはぷいと二階へ行ってしまいました...
豊島与志雄 「花子の陳述」
...ぷいと二階へ上ってしまった...
豊島与志雄 「反抗」
...それを見ないでぷいと向き直って歩き出すと...
中里介山 「大菩薩峠」
...そのままぷいと廊下の縁の下を潜(くぐ)り抜けて...
中里介山 「大菩薩峠」
...ぷいと立って去ってしまった...
長谷川時雨 「マダム貞奴」
...ぷいと帰りたくなってきて...
林芙美子 「新版 放浪記」
...ぷいとそっぽを向いたが...
久生十蘭 「奥の海」
...いい加減遊ぶと忠公はぷいと...
宮本百合子 「一太と母」
...――貴様の背骨はよほど曲がっているな」と、さらに、趙範をぎゅうぎゅう踏みつけて、ぷいと、そこを出てしまった...
吉川英治 「三国志」
...きょうはわしの歓びの日だ」彼は風の子のようにぷいと庭へ出てしまった...
吉川英治 「新書太閤記」
...自分の意志でぷいとどこかへ消えてしまう...
吉川英治 「新・水滸伝」
...実は、たった一度、応天門の焼址(やけあと)の附近で、人から、あれが常平太貞盛である、おまえとは同郷らしい――と教えられたことがあり、近づいて、せめて、挨拶でもしようと思ったところが、何か、先が勘ちがいでもしたのか、ぷいと、横をむいて、貞盛は、背を見せたまま行ってしまった……そういう記憶が、ふと、頭をかすめたのである...
吉川英治 「平の将門」
...おたんちん」ぷいと...
吉川英治 「松のや露八」
...「私と藤次様と、どこが、おかしいんですか」「おかしいと、誰がいった」「今、いったじゃありませんか」「…………」「男のくせに――」と、お甲は、灰をかぶせたように黙ってしまった男の顔をにらんで、「嫉(や)いてばかりいるんだから、ほんとに、嫌になっちゃう!」そして、ぷいと、「朱実、気ちがいに関(かま)ってないで行こう」又八は、その裳(すそ)へ、腕をのばした...
吉川英治 「宮本武蔵」
...女房は奥へぷいと入って行った...
吉川英治 「宮本武蔵」
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