...ぶらぶら歩いて酒屋の門口(かどぐち)まで来た時にはもうすこぶる元気なものであった...
魯迅 井上紅梅訳 「阿Q正伝」
...それはすこぶる大胆(だいたん)な...
海野十三 「海底都市」
...すると、そのとき、ぶるるるん、ぶるるるん、ぶるるるるる……という音が、かすかに聞こえ、スウッとからだが浮きあがるような気がしました...
江戸川乱歩 「奇面城の秘密」
...目をつぶると、丸裸の身体にぼろ毛布をまきつけられて、警察の留置所に入れられて横たわっていた、ついさっきまでの自分のあさましい、みじめな姿がまざまざと見えてくる...
相馬泰三 「六月」
...当地市民の会葬する者二千余名を超え葬送はすこぶる盛観を極めました...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...ワーニャ (皮肉に)すこぶるね!エレーナ (アーストロフに)あなたはまだ...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「ワーニャ伯父さん」
...わたくしは……」オープンショウはなんだかゾッとするような、身ぶるいの出る、そのくせほとんど音もなく倒れる音を聞いたような気がした...
G・K・チェスタートン G. K. Chesterton 村崎敏郎訳 「古書の呪い」
...鬼(おーに)んなってつらかってえ大根(だいこ)の葉あがからかってえみんなのなぶる声が追っかけてきた...
壺井栄 「大根の葉」
...どう考えていいかすこぶる困ってるのだった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...蓬髪の頭をぶるっと振わせて...
豊島与志雄 「特殊部落の犯罪」
...すこぶる正鵠(せいこう)を失しているらしい...
夏目漱石 「三四郎」
...癇(かん)が昂ぶると...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...勿體ぶるほどのことぢやなく...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...ひたぶる御勉強のみと伺うが...
吉川英治 「私本太平記」
...騒然と研(と)がれていた武者ぶるいとも狼狽ともつかない硬直のうえに...
吉川英治 「私本太平記」
...火縄のいぶるあの臭(にお)い!「あッ――」と弦之丞が...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...燃えいぶる竈(かまど)のまえにうつ向いていた...
吉川英治 「野槌の百」
...堺本もまた「宸翰本に比ぶるに文字の異同こそあれ順序は全く同じく」...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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