...不埓(ふらち)ぢや...
石川啄木 「葬列」
...不埒(ふらち)ともいうべき若いのは...
泉鏡花 「薄紅梅」
...恩を仇(あだ)で報ゆるに等しいYの不埒(ふらち)をさえも寛容して...
内田魯庵 「三十年前の島田沼南」
...不埒千万(ふらちせんばん)だ」岡本は室の中のむせむせするのが厭(いや)だった...
田中貢太郎 「春心」
...自分の身びいきという立場を離れて考えても不埒(ふらち)である...
近松秋江 「霜凍る宵」
...其様なものを従来私慾の為にのみ使う不埒(ふらち)を責め最早(もう)六十にもなって余生幾何もない其身...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...不埒(ふらち)ノ男ガ...
中里介山 「大菩薩峠」
...誠に不埒(ふらち)な奴さ...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...不埒(ふらち)な泥棒が高価な獲物を持ち逃げしたかも知れない...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「鉄面皮」
...不埒(ふらち)な論法なる上何種のにもマルコが記したごとき変な肢がない...
南方熊楠 「十二支考」
...そんな不埒者(ふらちもの)は放ッてお置きになるがよろしい...
吉川英治 「江戸三国志」
...訴えを怠りおった不埓者(ふらちもの)...
吉川英治 「篝火の女」
...二番目の駕に急用があるんだ」「春日新九郎の駕を俺たちに渡して通れ」「不埒(ふらち)なことを申せッ」云わせも果てず黒装束の一人が勃然(ぼつねん)とした声で...
吉川英治 「剣難女難」
...包んでもおけない京極家の不埒(ふらち)な処置(しょち)...
吉川英治 「剣難女難」
...不埒(ふらち)な町役である...
吉川英治 「新書太閤記」
...勅使登城の目前に不埓(ふらち)至極(しごく)...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...なかなか金儲(かねもう)けなどという不埓(ふらち)な考えは出もいたしませぬ』『うそをいえ』八十右衛門の笑い声には...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...追手となって不埒(ふらち)な嫁を...
吉川英治 「宮本武蔵」
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