...ふつとEの何時もの言葉を思ひ出して...
伊藤野枝 「監獄挿話 面会人控所」
...ふつと彼女は其処で...
伊藤野枝 「惑ひ」
...ひいふつとぞ射切つたる...
太宰治 「右大臣実朝」
...・耳垢を掌(て)にのせて夜のふかく・ふつと挙げた手で空しい手で一月十二日眠れないから考へる...
種田山頭火 「其中日記」
...近くにある方の結び燈臺は風もありはしないと思はれるのに、ふつと消えた...
田山花袋 「道綱の母」
...「いつたい、世間のひと、何を食べてるのかしら‥‥」定子が、ふつと、こんなことをいつた...
林芙美子 「愛する人達」
...ふつとまた死の予感がした...
林芙美子 「浮雲」
...ふつと舌を出した...
林芙美子 「浮雲」
...薄昏(うすぐら)い夜明けの海上で、ふつと、こんな島に出くはしたら、さだめし気味の悪いものであらうと思へた...
林芙美子 「浮雲」
...ふつと涙がつきあげてきた...
林芙美子 「ボルネオ ダイヤ」
...それがまた風味でもある煮葡萄酒(ヴァン・キュイ)のような感動がふつふつと胸の中に湧きあがるのはなぜだろう...
久生十蘭 「だいこん」
...おもちやもふつとこちらを向いた...
平出修 「二黒の巳」
...ふつと横を見ると閾際(しきゐぎは)に誰やら手をついてお辞儀をして居るので...
平出修 「夜烏」
...一同の者がふつとわらつたりした...
牧野信一 「海路」
...ふつと俺は天井を見あげると...
牧野信一 「鶴がゐた家」
...一ふつと、軽い夢が消えると、窓先を白い花が散つてゐた...
牧野信一 「妄想患者」
...ふつと眼の先の空堀の向ひ側に可愛らしい西洋娘が立つてゐるのに気づいた...
牧野信一 「籔のほとり」
...ふつふつと小さいおきの落ちたのを一枚の仕上った敷布の上から吹きはらった...
「赤い貨車」
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