...ふっつりと交渉の断絶を意味していた...
犬田卯 「橋の上」
...でも押絵になった証拠には、その後(のち)兄の姿が、ふっつりと、この世から見えなくなってしまったじゃありませんか...
江戸川乱歩 「押絵と旅する男」
...村山家へ出入りすることはふっつり止めて貰い度い...
江戸川乱歩 「接吻」
...懇望されて妻になって以来ふっつりと舞踊とは縁をきり...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「鷺娘」
...ふっつり訪ねても来ないようになったので...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...私も馬鹿な考えはふっつり思い切って...
チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「女房ども」
...ことに東山の畔(ほとり)のこととて人の足音もふっつりと絶えていたが...
近松秋江 「黒髪」
...ふっつり盃(さかずき)を口にしなくなっていた...
徳田秋声 「仮装人物」
...*其後ふっつりM君の消息を聞かなかったが...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...こう、直覚的にお銀様の眼に映った時に、一方、その機会に、ふっつりと、今まで自分の背後にペチャクチャと燈籠の故事来歴を囀(さえず)っていたキザな声が止んでしまったことも、かえって耳障りでした...
中里介山 「大菩薩峠」
...ふっつり絶えてしまったように...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...母はそれからふっつり口を利(き)かなくなった...
夏目漱石 「行人」
...時の流れがふっつりと断ち切られ...
久生十蘭 「肌色の月」
...今この場でふっつり諦めて...
平林初之輔 「オパール色の手紙」
...糸が切れたように曉闇のなかにふっつり消息が絶えているのだが...
牧逸馬 「土から手が」
...ふっつりとしなくなってしまったのです...
セルマ・ラーゲルレーヴ Selma Lagerlof 矢崎源九郎訳 「ニールスのふしぎな旅」
...茂登女もふっつりと...
山本周五郎 「落ち梅記」
...おもんはふっつりと姿をみせなくなった...
山本周五郎 「柳橋物語」
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