...紫の襟を噛(か)むように――ふっくりしたのが...
泉鏡花 「歌行燈」
...お君のふっくりした衣紋(えもん)つきの帯の処へ...
泉鏡花 「縁結び」
...ふっくりしたのを二つに割る...
中里介山 「大菩薩峠」
...色の白いふっくりしたお饅頭を...
中里介山 「大菩薩峠」
...三つ目の色の白いふっくりしたお饅頭を割って...
中里介山 「大菩薩峠」
...ふっくりした堆積が...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...ふっくりした餅のような雪面に...
中村清太郎 「山岳浄土」
...小皺のあるふっくりした上まぶたをぽっとさせて...
「一本の花」
...上瞼のふっくりした落付いた顔の表情を目につかないくらいかえたが...
「海流」
...順二郎はふっくりした瞼の上を誰にも見咎められずかすかに赧らめた...
「海流」
...私はXと暮す以上は大いにXをふっくりしたものにしてやりたいと思って居ります...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...表紙の装幀に何かの実(み)のようなふっくりした薄赤い二粒の円い珠飾りのついたののことだろうと思います...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...細い目をしたふっくりした顔があった...
室生犀星 「後の日の童子」
...ふっくりした丸顔で...
森鴎外 「ヰタ・セクスアリス」
...ふっくりした円顔の...
森鴎外 「雁」
...肘の上二三寸の所まで見えるふっくりした臂(ひじ)が...
森鴎外 「雁」
...9395ですから、金色(きんいろ)の髪(ちぢれがみ)をした牧童にでも、どうかして遣って来た、黒い、剛(こわ)い毛のファウヌスにでも、時と場合で、ふっくりした、こっちの手足をすっかり自由にさせて遣るものですわ...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...それから逞(たくま)しいというよりふっくりしたといいたい顔で...
山本周五郎 「日本婦道記」
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