...岡と二人だけで夜のふけるまで氷嚢(ひょうのう)を取りかえたり...
有島武郎 「或る女」
...それとも静かな炉辺でパイプをくわえながら思い出にふける時には...
石川欣一 「可愛い山」
...諸君はさらに深い思いにふけるであろう...
ピョートル・アレクセーヴィチ・クロポトキン Pyotr Alkseevich Kropotkin 大杉栄訳 「青年に訴う」
...思いにふける人たちは...
太宰治 「女人創造」
...彼は夜のふけるのも忘れてノートと首っぴきしていた...
田中貢太郎 「雀が森の怪異」
...もう秋季収穫(アキ)がはじまつてゐる音・出来秋ぬれてはたらく・夜あけの雨が柿をおとして晴れました・十字街はバスが人間がさん/\な秋雨・濡れて越える秋山のうつくしさよ・ぬれてきてくみあげる水や秋のいろはだしであるく花草のもう枯れそめて・ヱスもひとりで風をみてゐるか・秋雨の夜がふける犬に話しかける九月二十日雨...
種田山頭火 「其中日記」
...…………そして夜中にはどこかに火事があつた!・こどもなかよくあたゝかく芽ぶく・大(マヽ)鼓たたいてさくらちるばかり(高遠)みすゞかる信濃の国の御幣餅です・ぬけさうな歯がぬけてほつと信濃の月(信濃が木曽になる!)・春の夜ふけるとぬけるまへの歯のなやみ・あの水この水の天龍となる水音(伊那)ひるからは風が出て西駒東駒の残雪(望嶽居)・月あかりして山が山がどつしり( 〃 )五月五日晴...
種田山頭火 「旅日記」
...夜のふけるに従って歌の表情が次第に生き生きした色彩を帯びて来た...
寺田寅彦 「沓掛より」
...過去の思い出にのみふける方が好ましかった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...うっとりとふける夢想……...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...ことに夏のはじめなど日があかあかと夕ばえの雲になごりをとどめて暮れてゆくのをみながら もうぢき帰らなければ とおもへば残り惜しくなつて子供たちはいつそう遊びにふける...
中勘助 「銀の匙」
...仕方がないので故郷(けう)に對して惜別の感慨(かんがい)にふけるといつたやうな目的で自轉車をひつぱり出した...
新美南吉 「坂道」
...追憶にふけるというわけ……聖家族のイミテーションよ...
久生十蘭 「あなたも私も」
...朝食済むと伊原青々園の「演劇談義」に読みふける...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...様々な考えにふけるのであった...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トリスタン」
...どんなにふけるか分らないのですものね...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...夜のふけるのを待って...
吉川英治 「神州天馬侠」
...思わず夜(よ)のふけるのを忘れてしまった...
吉川英治 「神州天馬侠」
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