...セネカが「享楽的な楽しみ」と呼んだものにふけるならば...
フレデリック・アークム Fredrick Accum 水上茂樹訳 「食品の混ぜ物処理および調理の毒物(1820)」
...それとも静かな炉辺でパイプをくわえながら思い出にふける時には...
石川欣一 「可愛い山」
...夜がふけると、一層身に染みて、惚込(ほれこ)んだ本は抱いて寝るといふ騒ぎ、頑固な家扶(かふ)、嫉妬(じんすけ)な旦那に中をせかれていらつしやる貴夫人令嬢方は、すべて此の秘伝であひゞきをなすつたらよからうと思ふ...
泉鏡花 「いろ扱ひ」
...夜のふけるのもかまわず待っていたのであった...
海野十三 「火星兵団」
...らくにふけるのだよ...
海野十三 「火星兵団」
...第四石門の南端に腰をおろし、空想にふける...
大町桂月 「妙義山の五日」
...またぼんやり物案じにふけるのでございました...
太宰治 「右大臣実朝」
...また静かに瞑想にふける...
太宰治 「黄村先生言行録」
...夜のふけると共に...
太宰治 「津軽」
...ですから花やかなけしきを眺めるよりも淋(さび)しい風物に接する方が慰められ現実の逸楽をむさぼるかわりに過去の逸楽の思い出にふけるのがちょうど相応するようになるのではありますまいか...
谷崎潤一郎 「蘆刈」
...新聞を借りて来て読みふける...
種田山頭火 「其中日記」
...わたしは夜がふけるまで...
ツルゲーネフ 神西清訳 「はつ恋」
...そうした夜は夜ふけるまでその話を分析したり総合したりして...
寺田寅彦 「球根」
...うっとりとふける夢想……...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...夜のふけるのも知らぬやうに語りきかせてゐた...
堀辰雄 「ふるさとびと」
...夜も昼も寝ころんで空想にふける寝台が一脚...
マクドナルド George MacDonald 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...少女時代から自分が育て上げてきた人といっしょに年をとってしまった今になって、一人だけが残されて一方が亡(な)くなってしまったということが、みずから憐(あわれ)まれもし、故人を悲しまれもして、その時あの時と、あの人の感情の美しさの現われた時とかあの人の芸術とか複雑にいろいろなことが思わせられるために、深い哀愁に落ちていくのです」などと、夜がふけるまで、昔をも今をも話しておいでになって、このまま明石夫人のところで泊まっていってもよい夜であるがとはお思いになりながら院のお帰りになるのを見て、明石夫人は一抹(いちまつ)の物足りなさを感じたに違いない...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...夜がふけるまでには何が彼やら判らなくなつてしまふ毎晩のふしだらでございます...
室生犀星 「巷の子」
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