...漫然と書見に耽(ふけ)っていると...
芥川龍之介 「疑惑」
...ときには大人の読むようなむずかしい本をひらいて読みふけっていた...
海野十三 「海底都市」
...その夜(よ)ふけてのことだった...
海野十三 「火薬船」
...葉藏は夜のふけるとともに...
太宰治 「道化の華」
...夜がふけていくに従って心がすっかり静まった...
蒲松齢 田中貢太郎訳 「成仙」
...鴉と子供人を葬るところ梅の花・墓場へみちびくみちの落葉鳴らしゆく落ちてそのまゝ芽生えた枇杷に枇杷・ぼんやりをればのぞいては啼くはひたたき・さびしさのはてのみちは藪椿・風に木の葉のさわがしいさうろうとしてゆく・夜ふけの餅のうまさがこんがりふくれ・枯れたすゝきに日が照る誰かこないかな黎々火君に秋田蕗二句蕗の芽もあんたのこゝろ・あんたのこゝろがひろがつて蕗の葉二月十七日あたゝかい...
種田山頭火 「其中日記」
...そうしてよそ目には気抜けのしたもののように呆然(ぼんやり)として自分一人のことに思い耽(ふけ)っていた...
近松秋江 「うつり香」
...女に耽(ふけ)ったりして...
徳田秋声 「あらくれ」
...日本人は三十の聲を聞くと青春の時期が過ぎて了つたやうに云ふけれども...
永井荷風 「新歸朝者日記」
...口紅の皿を取出(とりだ)させて斯(こ)んなつまらない悪戯(わるさ)に耽(ふけ)って居るのでした...
野村胡堂 「百唇の譜」
...卑しい恋愛にふけった人間は...
久生十蘭 「あなたも私も」
...三 空想に耽(ふけ)るかく妾(しょう)は入獄中毎日読書に耽りしとはいえ...
福田英子 「妾の半生涯」
...或る日万葉集に読みふけっているうちに一聯(いちれん)の挽歌に出逢い...
堀辰雄 「大和路・信濃路」
...あの不潔(ふけつ)な...
レウィス、キァロル Lewis Carroll 丸山英觀訳 「愛ちやんの夢物語」
...ふけだらけな頭をかいて...
吉川英治 「かんかん虫は唄う」
...独り読書に耽(ふけ)っていたが...
吉川英治 「私本太平記」
...頬づえついて読み耽(ふけ)っているのだった...
吉川英治 「源頼朝」
...黙思に耽(ふけ)っているのであった...
吉川英治 「宮本武蔵」
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