...空は晴れて膚寒く夜はようやくふけ渡ったようである...
伊藤左千夫 「水籠」
...何か考えごとにふけっているようすでした...
江戸川乱歩 「怪人二十面相」
...夜ふけまでひっぱっておいたのです...
江戸川乱歩 「影男」
...またひどくふけて...
江戸川乱歩 「月と手袋」
......
種田山頭火 「其中日記」
...煤(すす)と埃(ほこり)とあらゆる不潔(ふけつ)に盈(みた)された家の内は...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...世あにかくのごときの妄誕不稽(ぼうたんふけい)のことあらんやと大笑したれども...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...人影一つなかったのは夜ふけのこととて当然ではあるが...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...二枚書けば忽(たちまち)筆渋りて癇癪(かんしゃく)ばかり起り申候間まづ/\当分は養痾(ようあ)に事寄せ何も書かぬ覚悟にて唯折節(おりふし)若き頃読耽(よみふけ)りたる書冊(しょさつ)埒(らち)もなく読返して僅(わずか)に無聊(ぶりょう)を慰めをり候次第に御座候...
永井荷風 「雨瀟瀟」
...そよそよと流れて来る夜深(よふけ)の風には青くさい椎(しい)の花と野草の匂(におい)が含まれ...
永井荷風 「つゆのあとさき」
...ふけ渡った阪道には屋台の飲食店がところどころに残っているばかり...
永井荷風 「つゆのあとさき」
...お千代も度々主家の書生や車夫などと夜がふけてからそっと屋敷を抜出(ぬけだ)して真暗(まっくら)な丸の内へ出掛けたが...
永井荷風 「ひかげの花」
...夢中になって読み耽(ふけ)っているのだから...
中谷宇吉郎 「日本のこころ」
...それを見た美女が私達は日夜管絃の遊びにふけつてゐるが其の終りもこんな風なのであらうと忽ち無常観に打たれた処であらう...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...竹次もおいくという妻も年よりはずっとふけてみえた...
山本周五郎 「菊千代抄」
...後世の普化僧(ふけそう)みたいなものではない...
吉川英治 「私本太平記」
...合(あい)の手を入れると――ふけて廓(くるわ)のよそおい見れば宵のともし灯うちそむき寝の夢の花さえ散らすあらしの誘い来て閨(ねや)を連れだすつれ人男よそのさらばも尚あわれにて裏も中戸も開くる東雲(しののめ)送るすがたのひとえ帯とけて解(ほど)けて寝みだれ髪の黄楊(つげ)の――黄楊の小櫛(おぐし)もさすが涙のばらばら袖に『浮様』『なんじゃ竹之丞』『ちゃっと...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...八もう夜がふけました...
和辻哲郎 「ある思想家の手紙」
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