...それにあの官帽が一層ふくれた顔を滑稽にするばかりなのですもの...
伊藤野枝 「ある女の裁判」
...綾子のもっくりふくれた胸が...
犬田卯 「橋の上」
...来てくれなきゃア仕方がないじゃアないか?」吉弥はふくれッ面をした...
岩野泡鳴 「耽溺」
...身体がたちまち気球のようにふくれてパンクするおそれがあった...
海野十三 「海底都市」
...みるみる球(きゅう)のようにふくれあがり...
海野十三 「超人間X号」
...秋山川は烈しい雨脚と掠めとぶ水煙りの底に満々とふくれあがっていた...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...流れはいよいよ、ふくれ上り、海のようになっている...
太宰治 「走れメロス」
...剖(さ)いて見れば黒い虫の様に蠢(うごめ)く腸を満たしたふくれ腹...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...魂の口をふさぐほどふくれ上がってる自我...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...わざとふくれた顔をして看板屋の軒下へ嘉吉をひつぱつて行つた...
林芙美子 「朝夕」
...ガラス窓の外は茫と白くふくれ上って揺れかえしているのであった...
原民喜 「秋日記」
...お邪魔いたしました」金五郎の胴巻はふくれあがり...
火野葦平 「花と龍」
...小さな足くびが百あまり薄桃いろにふくれてね可哀想にあしのうらに日があたる...
正岡容 「浅草燈籠」
...拇指の根のまわりのふくれたところが益ふくれてしまうのです...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...一統へ御意有之並に為陣服料(ぢんふくれうとして)金三両宛(づつ)被成下(なしくださる)...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...頬膨奴(ほおふくれめ)...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...昨日飲みたる酒もてふくれいたりき...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...手拭でふくれている懐中(ふところ)も...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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