...彼女のあのふくよかな...
江戸川乱歩 「恐ろしき錯誤」
...その中になまめかしくふくよかな桃色の肉塊がひそんでいようなどとは...
江戸川乱歩 「黒蜥蜴」
...ふくよかなものが何も無くなっていた...
太宰治 「正義と微笑」
...ふくよかな八反の座布団が二つ人待ち顔に敷かれてあった...
谷崎潤一郎 「少年」
...ふくよかな彼女の体温が恋しくなる...
豊島与志雄 「朝やけ」
...ふくよかな体躯に貫禄が具わっていた...
豊島与志雄 「化生のもの」
...ながれて ゆくか 麓までも?まだみぬ 顔の 不可思議の咽喉(のんど)の みえる あたりまで……午睡の 夢の ふくよかに...
中原中也 「在りし日の歌」
...芸人の愛嬌(あいきょう)で前髪は立てておりますが、もう二十二三にもなるでしょうか、恐ろしい美貌で、引締った細顎(ほそあご)、長い眼、ふくよかな頬、華奢(きゃしゃ)にさえ見える恰好など、どう見ても十七八以上とは思われません...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...肉づきまでがふくよかになっていた...
長谷川伸 「討たせてやらぬ敵討」
...さまざまに度合のちがう大車渠貝のふくよかな丸みのせいで...
久生十蘭 「泡沫の記」
...言いあらわしようもないふくよかな香気で...
久生十蘭 「墓地展望亭」
...いともふくよかに呟いた...
牧野信一 「心象風景」
...自分もいつもふくよかな睡(ねむ)りにつくことができていたのでございます...
室生犀星 「玉章」
...何がそなたの生涯をふくよかにするかが分れば...
室生犀星 「玉章」
...その清らかな胸に波打つふくよかな呼吸……...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...ふくよかな両脚を長々と投出しながら...
夢野久作 「名君忠之」
...髪を布結びにした色白でふくよかな女と...
吉川英治 「私本太平記」
...微妙なふくよかな肉づけ...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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