...ただなんとなくひ弱くはかなげなるは...
伊藤左千夫 「廃める」
...恰も白蟻が堂や寺などを喰ひ弱らせる如くに...
丘浅次郎 「自然の復讐」
...ひ弱な火影の煽るに連れて...
薄田泣菫 「西大寺の伎藝天女」
...秋になると、蜻蛉(とんぼ)も、ひ弱く、肉体は死んで、精神だけがふらふら飛んでいる様子を指して言っている言葉らしい...
太宰治 「ア、秋」
...頸(くび)がひょろひょろ長く、植物のような感じで、ひ弱く、感冒除(かんぼうよ)けの黒いマスクをして、灰色の大きすぎるハンチングを耳が隠れてしまっているほど、まぶかに被(かぶ)り、流石(さすが)にその顔は伏せて、「金を出せえ...
太宰治 「春の盗賊」
...細そりしてひ弱な様子で...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...それは商業や事務に半生を送ったひ弱い肉体の持ち主であったのに...
永井隆 「この子を残して」
...「親分さん――」何やら口の中で言つて、丁寧にお辭儀をしたのは、まだ肩揚(かたあげ)のとれぬ十四五の小娘で、可愛らしさは申分ないにしても、身扮(みなり)の貧しさと共に、ひ弱さうで、痛々しいものさへ感じさせました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...ひ弱く育つたばかりに...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...少しひ弱さうですが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...見たところ主人は六十前後の老体、病身でひ弱くて、見る影もない老人ですが、正面から胸のあたりを真っすぐに刺され、一とたまりもなく倒れたことでしょう...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...僕の年寄りの冷や水は、いつも、君の顔の中に点滅する「ともすれば涙ぐもうとする、ひ弱い、良家の子供」の、幸せな将来を祈っていたのだ...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...そんなひ弱い男でも萩原とおみねと人二人殺してずんと本度胸が坐ったといえばそれ迄であるが...
正岡容 「我が圓朝研究」
...誰が見てもカラ元氣のない不活發(ふくわつぱつ)な青年となツて」は底本では「は次第にひ弱(よわ)となツて...
三島霜川 「平民の娘」
...この人たちの批評に時々見つけ出すことのできるひ弱さのようなものは...
三好十郎 「恐怖の季節」
...別の言い方をすれば「食う必要」が命ずる事に堪え切れない程にひ弱わな部分が「芸術家としての本心」の中に有るならば...
三好十郎 「俳優への手紙」
...最もひ弱な不出来な子供たちを溺愛しています...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
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