...恰も白蟻が堂や寺などを喰ひ弱らせる如くに...
丘浅次郎 「自然の復讐」
...それにしてはお前の身体はあまりにひ弱すぎる...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...外見ひ弱そうな肉体が裸になると撓やかで逞ましいのも好きだったし...
田中英光 「さようなら」
...彼はルイザと同じく小柄で、痩(や)せて、ひ弱で、少し猫背(ねこぜ)だった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...「親分さん――」何やら口の中で言つて、丁寧にお辭儀をしたのは、まだ肩揚(かたあげ)のとれぬ十四五の小娘で、可愛らしさは申分ないにしても、身扮(みなり)の貧しさと共に、ひ弱さうで、痛々しいものさへ感じさせました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...ひ弱く育つたばかりに...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...ひ弱く育ったばかりに...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...反つて年弱(としよわ)に見えるほどのひ弱い男で...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...それに、こんな商賣をしてゐる癖に、妙にひ弱い人で、十貫目以上もある石を、土藏の屋根の上に持ち上げる力なんかあるわけはありません」八五郎は誰かに頼まれでもしたやうに、必死と忠之助お俊夫婦のために辯ずるのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...少しひ弱さうですが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...美しすぎる面ざしをした、ひ弱い青年が、胸から血をだして死んでいく光景を見るのは、ありがたいというようなことではない...
久生十蘭 「あなたも私も」
...そんなひ弱い男でも萩原とおみねと人二人殺してずんと本度胸が坐ったといえばそれ迄であるが...
正岡容 「我が圓朝研究」
...娘のほうは蒼白いひ弱い顔とやせた高すぎる肩とを持っている...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...まだひ弱さうであつたが...
室生犀星 「星より來れる者」
...もっぱら我々の諸感覚が不確実でひ弱であることをその理由とする...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...彼女はおそい・ひ弱な・おとなしい・たちである上に...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...実に命令や規律で導かれる生活くらい愚かでひ弱なものはないのである...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...色白の小柄なからだつきはいかにもひ弱そうにみえるが...
山本周五郎 「城を守る者」
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