...男は、カツラを洗面台におくと、こんどは、ポケットから、銀色の、まるいコンパクト(おしろい入れ)を出して、パチンとひらき、その中にはいっている赤黒いえのぐのようなものを、両手の指につけると、それを、顔いちめんにぬりつけるのでした...
江戸川乱歩 「怪奇四十面相」
...名探偵の冒険やがて、ドアがひらき、顔だけ道化師で、からだはぴったり身についた黒シャツと黒ズボンの男が、部屋にはいってきました...
江戸川乱歩 「仮面の恐怖王」
...かばんの皮をきりひらき...
江戸川乱歩 「奇面城の秘密」
...ドアが細目にひらき...
江戸川乱歩 「黒蜥蜴」
...小林君は、すぐ目の前のT1のとびらをひっぱってみましたが、かぎがかかっているとみえて、ひらきません...
江戸川乱歩 「超人ニコラ」
...そのふたをひらきました...
江戸川乱歩 「超人ニコラ」
...大きな口をガッとひらきました...
江戸川乱歩 「超人ニコラ」
...うすい眉をはればれとひらき...
太宰治 「道化の華」
...それで水野は將軍家慶の御前において閣議をひらき...
徳永直 「光をかかぐる人々」
...庭の巴旦杏の木がいつぱい花をひらきました...
豊島与志雄 「エミリアンの旅」
...死のうかさても侘しきあきらめかや真実友はなつかしけれど一人一人の心故……黍の葉の気ぜわしいやけなそぶりよ二十五の女心は一切を捨て走りたき思いなり片眼をつむり片眼をひらきああ術(すべ)もなし男も欲しや旅もなつかしああもしようと思いこうもしようと思う……おだまきの糸つれづれに二十五の呆然と生き果てし女は黍畑の畝に寝ころびいっそ深々と眠りたき思いなりああかくばかりせんもなき二十五の女心の迷いかな...
林芙美子 「新版 放浪記」
...――土地をひらき...
本庄陸男 「石狩川」
...島さんの妻はひらき直って...
山本周五郎 「季節のない街」
...身分にはかなりひらきがある...
山本周五郎 「古今集巻之五」
...みんなも、おひらきにして、残った物はあちらで頂きましょう、と遣手の女が云った...
山本周五郎 「花も刀も」
...われから血路(けつろ)をひらきに走った...
吉川英治 「神州天馬侠」
...追い散らして血路をひらき...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...庶民もみな戸をひらき...
吉川英治 「源頼朝」
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