...良平はこの音にひやりとした...
芥川龍之介 「トロツコ」
...糟谷(かすや)はおぼえずひやりとする...
伊藤左千夫 「老獣医」
...さうですか?」義雄は不意に水をあびせられたやうにひやりとした...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...俺は何かひやりとした...
高見順 「いやな感じ」
...風が、湖面を渡って来たみたいに、ひやりとする...
太宰治 「パンドラの匣」
...内心ひやりとしたことがある...
豊島与志雄 「広場のベンチ」
...ひやりとしますよ……」私はぞっとして...
豊島与志雄 「山の別荘の少年」
...表(おもて)の戸(と)を開(あ)けるとひやりとする曉(あけ)近(ちか)い外氣(ぐわいき)に白(しろ)い息(いき)を吹(ふ)きながら...
長塚節 「土」
...何事に思ひ入りたる白露ぞ高き枝よりわななきて散る木の下を歩いてゐると上から朝露が落ちて襟に散りひやりと心を冷した...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...」私はひやりとした...
室生犀星 「或る少女の死まで」
...ひやりとするほど実感がこもっていて...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...地金の真鍮板が積み重ったまま足もとへ崩れて来たり安全なニスとエーテルの混合液のザボンがいつの間にか危険な重クロムサンの酸液と入れ換えられていたりしているのが初めの間はこちらの過失だとばかり思っていたのにそれが尽く軽部の為業(しわざ)だと気附いた時には考えれば考えるほどこれは油断をしていると生命まで狙われているのではないかと思われて来てひやりとさせられるようにまでなって来た...
横光利一 「機械」
...」汗がひいたためか柱廊の大理石の冷たさがひやりと両脇から流れて来た...
横光利一 「旅愁」
...矢代は支えている千鶴子の耳飾の冷たく首に触れるのもひやりとする切なさだった...
横光利一 「旅愁」
...」軽く彼は反らしたがひやりとして...
横光利一 「旅愁」
...一種ひやりと薄冷たい悲しみのさし通るのを感じた...
横光利一 「旅愁」
...ひやりとしたものを感じた...
蘭郁二郎 「夢鬼」
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