...洋服はグショ濡れになってゾクゾク寒い事ひと通りではない...
押川春浪補 「本州横断 痛快徒歩旅行」
...ひと通りの話を聞いた伝さんが...
大阪圭吉 「三の字旅行会」
...既にひと通りの調査は済まされて係官はひとまず引挙げ屍体は事件の性質上一応千葉医大の解剖室へ運ばれた事...
大阪圭吉 「花束の虫」
...まあ国栖の近所をひと通り歩いて...
谷崎潤一郎 「吉野葛」
...いい素材を発見しまた発掘するということのほうがなかなか困難であってひと通りならぬ才能を要する場合が多く...
寺田寅彦 「空想日録」
...一週間ばかりしたら学校の様子もひと通りは飲み込めたし...
夏目漱石 「坊っちゃん」
...彼はちょっとひと通りはものをしっているようだが...
新渡戸稲造 「自警録」
...ひと通り眼を通した上...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...ひと通りお聴きとりねがいます」と言って...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...どんなことにでもひと通り意見のあるママが...
久生十蘭 「だいこん」
...占領地の主な収容所をひと通り見ておかれるほうがいいでしょう...
久生十蘭 「ノア」
...市(いち)の品ひと通り買ふことは出来まい...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...ひと通りやふた通りでない講釈の大通人らしい...
正岡容 「寄席」
...彼の驚愕もひと通りでない...
吉川英治 「三国志」
...しかし城を出て戦っていた魏軍の狼狽はひと通りでない...
吉川英治 「三国志」
...「怪(け)しからぬお手廻しよ」師直(もろなお)がこれに憤慨したことはひと通りでない...
吉川英治 「私本太平記」
...ひと通りな教養もある...
吉川英治 「新書太閤記」
...ほかならぬ木下殿のことと、わしは信頼しておるが、家中の不評、御城下の不安、ひと通りでない...
吉川英治 「新書太閤記」
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