...ひと足先に上海へ渡る丸万に...
高見順 「いやな感じ」
...ひと足先に起きてかやを出た誠一の足の下で...
永井隆 「ロザリオの鎖」
...俺はひと足先に――」平次は其處から中坂を疾風(しつぷう)の如く下りました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...あたしはひと足先にまいりますよ...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...当時小住はひと足先に大看板...
山本笑月 「明治世相百話」
...――お燕(えん)を抱いて、久助さんは、ひと足先に、帰っておくれ」「ば、ばかなことを、いいなさんな...
吉川英治 「大岡越前」
...わたしがお白洲(しらす)へ坐る日には、赤螺三平こそ、ひと足先に、獄門台へお出かけのはずだよ...
吉川英治 「大岡越前」
...いま眠りに就こうとしていた母里太兵衛や後藤右衛門などが、「新七らしいが?」と、怪しみながら庫裡(くり)を出て、山門の方へ行ってみると、ひと足先に、栗山善助がそこへ駆け出していて、山門をひらき、何事か新七から聞き取っているふうだった...
吉川英治 「黒田如水」
...ひと足先に鎌倉へ入って...
吉川英治 「私本太平記」
...ひと足先に帰ってくれい」「いや...
吉川英治 「私本太平記」
...ひと足先に、急いで戻る」「桐畑のお邸のほうへ」「いいや、聟(むこ)入りと共に、わしの鎧櫃(よろいびつ)も、お許(もと)の部屋に納められてある...
吉川英治 「新書太閤記」
...先頃は、陣中かけちがい、お目にかかる折もなく過ぎましたが、このたびの御西征と聞くよりも、心躍って、官兵衛どのにお取りなしを願い、ひと足先に、これへ来てお待ちうけ申しておりました」手をつかえて、平伏しているすがたを見ても、その肩幅、背の丈(たけ)の、人なみ以上すぐれていることがすぐ分る...
吉川英治 「新書太閤記」
...てまえがまず燕青(えんせい)一人だけ連れて入城し、あなたは明十四日の晩、元宵節(げんしょうせつ)の人出にまぎれてお入りになってはどうでしょう」と、柴進が言い、宋江もまた、「そう願いたい」となったので、柴進は燕青とふたりだけで、まずその日、ひと足先に、帝都東京(とうけい)の街中(まちなか)へ下見に入った...
吉川英治 「新・水滸伝」
...ひと足先に間道を登り...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...ひと足先に駆けだした...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...お二人はひと足先に」と...
吉川英治 「松のや露八」
...わたしがそなたを待とうひと足先に...
吉川英治 「宮本武蔵」
...ひと足先に、てまえが追いついて、お嬢様を抑えて置きますから、お後からすぐ』出がけに、外から云うと、惣七は、窓から顔を見せて、『楠平か、楠平か』『はい...
吉川英治 「夕顔の門」
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