...「それ今ひと息だぞっ」君の父上がしぼり切った生命を声にしたように叫んだ...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...恰度(ちょうど)忙しい事務もひと息ついた形だったので...
大阪圭吉 「花束の虫」
...キャラコさんをわれわれのもとへ派遣した長六閣下の寛大なるご処置に感謝いたしまァす」ア・ラ・ヴォートル! といいながらひと息に飲みほして...
久生十蘭 「キャラコさん」
...ひと息では言えなかった...
久生十蘭 「墓地展望亭」
...ケリルの生命がもうひと息で絶えそうになった...
フィオナ・マクラウド Fiona Macleod 松村みね子訳 「約束」
...髪の毛がありゃアがら」と言って茶碗の中のその数本の長い毛を片手で押さえたままグーッとひと息に煽りつけてしまうくだりがあり...
正岡容 「随筆 寄席囃子」
...さうしてひと息ついてもう一度念を押すやうにぎいいと鳴いた...
三好達治 「艸千里」
...立派なもんだよ」栄二はそこで酒をひと息に呷(あお)った...
山本周五郎 「さぶ」
...綱宗はひと息に呷(あお)り...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...もうひと息でそのわけがわかる...
山本周五郎 「柳橋物語」
...」甲谷はひと息呼吸を吸い込んだ...
横光利一 「上海」
...まともに矢代にも響いて来てひと息に読み終えた...
横光利一 「旅愁」
...ひと息ごとのあわれさのようなものだった...
横光利一 「旅愁」
...ひと息の苦しさも愉しみに擦りかえて千鶴子の顔を眺めた...
横光利一 「旅愁」
...この酒をひと息のんで...
吉川英治 「三国志」
...ひと息ついていた所へ...
吉川英治 「三国志」
...「そうだ! まず六波羅をだ」玄尊はここで、シワ嗄(が)れた声に、ひと息入れた...
吉川英治 「私本太平記」
...午(ひる)、ひと息入れて、やがて午すぎの未(ひつじ)の刻(こく)を期し、その決定が諸将へ披露された...
吉川英治 「新書太閤記」
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