...それですよ」と技師はひと息して...
大阪圭吉 「坑鬼」
...数分の休息と三片のキャラメルで自分の体内の血液の成分が正常に復したと見えてすっかり元気を取りもどしてひと息に頂上までたどりつくことができた...
寺田寅彦 「小浅間」
...これなどももうひと息どうにかすると相当おもしろく見られそうな気がしたが...
寺田寅彦 「自由画稿」
...そう言えば日本の映画でもやはりたいていもうひと息というところでぴったり止まっているように思われる...
寺田寅彦 「自由画稿」
...ひと息ふた息の間にあった...
中勘助 「母の死」
...ひと息ついてからうしろを振り返って見ると...
久生十蘭 「海豹島」
...味噌汁をひと息に飲みほす...
久生十蘭 「キャラコさん」
...顔の筋ひとつ動かさねえで三合の余もある火酒をひと息に呑みほすやうな若者を見たなあ...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...息をいれずにひと息に仰有るのよ...
室生犀星 「蜜のあわれ」
...綱宗はひと息に呷(あお)り...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...そんな易辞をみなひと息に飲み込んで頭を悪くしては...
横光利一 「馬車」
...わが胸こがす恋の息今つく熱きひと息に...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集拾遺」
...兪渉は、ひと息に飲んで、「いでや」とばかり、兵を引いて、敵軍のまっただ中へ駆け入ったが、またたく間に、彼の手兵は敗走して来て、「兪渉将軍は、乱軍の中に、敵将華雄と出会って、戦うこと、六、七合、たちまち彼の刀下に斬って落された」とのことに、満堂の諸侯は、驚いていよいよ肌に粟(あわ)を覚えた...
吉川英治 「三国志」
...自分には荷がかちすぎるほどな大役」介(すけ)は、ひと息ついた...
吉川英治 「私本太平記」
...ひと息いれたら、もいちどおいで」と、いわぬばかりに涼しい顔で休んでいる...
吉川英治 「新・水滸伝」
...「高木龍耳軒!」三位卿は読みあげるようにひと息で言った...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...掛布団(かけぶとん)の縁(ふち)をぎゅっとひと息に押し込んでくれる...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「にんじん」
...ひと息に呑み込んで...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「にんじん」
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