...翁はこの主人とひととおり...
芥川龍之介 「秋山図」
...それ以後しばしば往来して文学上の思想を交換すると共に文壇の野心を鼓吹(インスパヤ)された事は決して尋常(ひととおり)でなかった...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...ひととおり話をきくと...
江戸川乱歩 「おれは二十面相だ」
...ひととおりようすをさぐってしまうと...
江戸川乱歩 「おれは二十面相だ」
...父子相伝(ふしそうでん)のこの著述がだいたい最初の構想どおりの通史(つうし)がひととおりでき上がった...
中島敦 「李陵」
...どうかこうか掃除がひととおり済んだ時は二人ともだいぶ親しくなった...
夏目漱石 「三四郎」
...けれどもひととおり古い都の臭(におい)を嗅(か)いで歩くうちに...
夏目漱石 「門」
...ひととおり背後をふりかえってからせんこくの奇態な殺人事件を...
西尾正 「放浪作家の冒険」
...ひととおり新聞を読むのが愉しみ...
林芙美子 「生活」
...平凡な娘がひととおりはそのようなものに眼を通す...
林芙美子 「文学的自叙伝」
...君香は、ひととおり、輪郭を話して、ため息をつくように、「そんな思いきったことするのは、お京はんに定(き)まったる...
火野葦平 「花と龍」
...三年の修業をすればひととおりの歴史・窮理書を知り...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...吾人(ごじん)の眼を楽しませることひととおりではない...
牧野富太郎 「植物知識」
...ひととおりでない心配や悲しみにもおかれていると思う...
宮本百合子 「漁村の婦人の生活」
...一通(ひととおり)わからぬこともないが...
森鴎外 「渋江抽斎」
...「これでひととおりの話は終りです」と藤吉は二本めの徳利を取って...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...ひととおりやって気が済んだら山をおりるんだな」「それを云うためにわざわざ来たのか」「いや...
山本周五郎 「ちくしょう谷」
...その茶をひととおりはやる...
吉川英治 「新書太閤記」
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