...白樺の幹は艶々と白く、落葉松の幹は濡れて、ひとしお黒い...
石川欣一 「可愛い山」
...廉平は一層(ひとしお)慰めかねる...
泉鏡花 「悪獣篇」
...薫が一汐(ひとしお)高くなった...
泉鏡花 「婦系図」
...私は戦争の時にひとしお深くそれを感じます...
太宰治 「惜別」
...ひとしお感激の念を禁じ得ないものがあった...
谷崎潤一郎 「細雪」
...一入(ひとしお)...
外村繁 「澪標」
...一入(ひとしお)哀悼に堪えないのである...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...今日は一入(ひとしお)変である...
夏目漱石 「虞美人草」
...久しく会わなかった姉の老けた様子が一層(ひとしお)健三の眼についた...
夏目漱石 「道草」
...「秋日和(あきびより)の庭は一入(ひとしお)の風情だろう...
野村胡堂 「礫心中」
...またひとしおの趣あり...
三宅花圃 「藪の鶯」
...ひとしおなつかしく思われる故郷に...
宮本百合子 「故郷の話」
...ところによっては往来のこのあかりがひとしお淋しく感じさせます...
村井政善 「蕎麦の味と食い方問題」
...その感慨もひとしおであったわけである...
柳田国男 「故郷七十年」
...犠牲を犠牲の意義に生かしきッて散った花のいのちは、いかにもきれいで、あとかたもない野の露は、ひとしお、あわれというほかない...
吉川英治 「私本太平記」
...「ああ、さしたるお方とも知らず」と、朱同はことごとく感動に打たれ、ひとしお、その人を見直した...
吉川英治 「新・水滸伝」
...山攻めとは、怖れながら、間近の敵を詐(いつわ)る詭計(きけい)にござりまする」「法皇は、それを、ご存じか」「俊寛法師の鹿(しし)ヶ谷(たに)山荘にも、ひそかに、行幸(みゆき)ましまして、このたびの盟約には、ひとしお、お力を入れているように承(うけたまわ)りまする」清盛は、入道頭を、ついと横へ向けた...
吉川英治 「親鸞」
...晩春の夜をひとしお心細く降ってきた...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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