...縄に捩(よ)った一重(ひとえ)まわし...
泉鏡花 「海異記」
...壁一重(かべひとえ)隣りから失火して...
江戸川乱歩 「恐ろしき錯誤」
...ひとえに後より来る人々への微衷よりして筆を執った次第である...
相馬愛蔵、相馬黒光 「一商人として」
...その中にて小波先生は双子縞(ふたこじま)の単衣(ひとえ)に怪し気なる夏羽織(なつばおり)...
永井荷風 「桑中喜語」
...年のころ十八九ばかりで月代(さかやき)の長く生えた男が伊達模様(だてもよう)の単衣物(ひとえもの)を着て...
中里介山 「大菩薩峠」
...先ず着物の定役(ていえき)を記(しる)さんに赤き筒袖の着物は単衣(ひとえもの)ならば三枚...
福田英子 「妾の半生涯」
...殿はその御方を何くれとなくお世話なすっていらしったようだったが(一度などは私のところからもあるたけの単衣(ひとえ)をその御方の許へお取り寄せになった事もあった――)...
堀辰雄 「ほととぎす」
...もってひとえに遠藤君の厚意を深謝している次第である...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...また一重咲(ひとえざ)き...
牧野富太郎 「植物知識」
...しかもそれはただひとえに...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...お召し物の綻(ほころ)んでいた単衣(ひとえ)をお着かえになっても...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...おすえが単衣(ひとえ)のままでいるのに...
山本周五郎 「さぶ」
...むろんでたらめであるが、ごらん候え、これに物具(もののぐ)一領、長刀ひとえだ、またあれに馬をも一疋(ぴき)つないで持ちて候...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...切れ目の長い一重瞼(ひとえまぶた)を伏せて...
夢野久作 「復讐」
...紺の風通織(ふうつうおり)の単衣(ひとえ)を着...
吉川英治 「大岡越前」
...ひとえに秀吉の功のいたらざるものと...
吉川英治 「黒田如水」
...ひとえに汝らの忠戦の功による...
吉川英治 「私本太平記」
...ひとえにそれは逃げて...
吉川英治 「新・水滸伝」
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