...その若い顔をひたむきな危惧に引きつらせているのを見ると...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...ひたむきな正直な好意以外のものでは無いと思います...
太宰治 「ろまん燈籠」
...彼女の愛情のひたむきなのを愛され...
田中英光 「さようなら」
...何かしら此の法師のひたむきな物の云い方が...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...ひたむきな熱情で此處まで引摺つて來たやうなものでした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...科学の研究にひたむきな熱情をそそぐことのできる誠実な精神のもちぬしだったので...
久生十蘭 「キャラコさん」
...これほどの自分のひたむきな熱情や真実が...
久生十蘭 「墓地展望亭」
...金五郎とマンとのひたむきな生きかたが人間本来の姿をどこかに止めていたせいであろうか...
火野葦平 「花と龍」
...堕ちゆく面貌の数々といひこころなき蹂躙に委せた心情の隈といふ――喪に塗りつぶされた自棄くそのインキ画で生活の 情痴の ひたむきな妄想の蠅といふ――たちまち群れて唸りをあげ 犇きあがり 修羅の火の手に覆へる大血槽に溺れるといふ――おもふざま其処でじたばたするといふのだ...
逸見猶吉 「逸見猶吉詩集」
...いかにもひたむきな作者の痛々しげな姿にもかかはらず...
堀辰雄 「七つの手紙」
...国王の楽しむ様子がとても嬉しそうでひたむきなので勇気が失せてしまった...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「道化玉座」
...ひたむきな芸術家として...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...一つ目的にひたむきな精進をつづけ...
村山俊太郎 「『教室の記録』の編集を終えて」
......
森川義信 「虚しい街」
...それはけんめいな、ひたむきな姿で、勝手口へ繁次の出て来た物音にも、まったく気づかないようであった...
山本周五郎 「落葉の隣り」
...ひたむきな愛情が生きのいのちであった頃...
山本周五郎 「日本婦道記」
...ひたむきな様子で...
吉川英治 「私本太平記」
...得て一道に没入してひたむきな人間は...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
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